本記事は2026年7月1日10時16分にChosunBiz MoneyMove(MM)サイトに掲載された。
ロッテグループがロッテレンタルをグローバル私募ファンド(PEF)運用会社テキサスパシフィックグループ(TPG)に1兆3000億ウォンで売却する案を進めている。ほかの大手PEより買収の意思がはるかに強かったTPGは年初から買収を進めてきた。(関連記事☞[単独] カカオモビリティー第2位株主TPG、ロッテレンタル買収を検討)
先月初めには、ロッテグループが売却価格を引き上げるために買収ファンドの後順位で参加する可能性があるとの見方も出ていた。(関連記事☞ロッテレンタルの売却額をあまり削らない代わりに後順位で残るか…ロッテ持株の価格防衛の算段は)
先にアフィニティ・エクイティ・パートナーズと売却契約を結んだ時と比べると、株式の単価は20%以上下がるが、持ち株の全量売却を通じて1兆ウォン台の現金を手にできるという点で、ロッテとしては善戦した取引だとの評価が出ている。
1日、投資銀行(IB)業界によると、ロッテグループはホテルロッテと釜山ロッテホテルが保有するロッテレンタルの持ち分約61.18%全量をTPGに売却する案を巡り最終段階の交渉を進めている。売却額は約1兆3000億ウォン水準で決まる見通しだ。
TPGは数カ月前からロッテ側と事実上一対一で交渉を続けてきたとされる。コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、カーライル、ベインキャピタル、EQTパートナーズ、ブラックストーン、アンカーPEなどグローバル大手私募ファンド運用会社の名前が取り沙汰され、LGグループが関心を持つとの説もあったが、これらは買収を進めなかったと把握されている。
今回の取引が成立すれば、先のアフィニティ取引と比べて売却スキームが変わる。ロッテグループは昨年アフィニティとロッテレンタルの株式売買契約(SPA)を結んだ当時、ホテルロッテと釜山ロッテホテルが保有する持ち分のうち56.17%のみを売却し、約5%は引き続き保有することで合意していた。当時の売却対象株式数は2039万6594株、売却額は1兆5729億ウォンだった。株式の売却単価は7万7115ウォンだった。
一方、今回のTPGとの交渉では、ホテルロッテと釜山ロッテホテルの保有持ち分全量である約61.18%が売却対象になるとされる。売却対象株式数は計2221万2063株で、アフィニティとの取引時より約181万5000株多い。
総売却額が約1兆3000億ウォンという点を踏まえると、株式の単価は約5万8000ウォン前後で形成されると試算される。アフィニティとの取引当時の単価(7万7115ウォン)より約25%低い水準だ.
今回の取引は表面的にはロッテレンタルを過去より低い価格で売却する構図だ。先にアフィニティと締結した契約と比べると、売却対象の持ち分は増えたが、総売却額と株式単価はいずれも下がるためである。
ただしIB業界では、現在の市場状況を勘案すればロッテとして非常に善戦した取引だとの評価が出ている。アフィニティとの取引が流れた後、価格負担や買収資金融資の環境、レンタカー業況に対する不確実性が重なり、ロッテレンタルの買収戦に積極的に乗り出す買い手は多くなかった。大手PEが大半様子見に転じた状況で、TPGまで離脱する場合には売却手続き自体が長期化しかねないとの懸念も大きかった。
ロッテの立場では、一部持ち分を残して将来的な再評価を狙う代わりに、保有持ち分の全量を一度に整理して1兆ウォン台の資金を確保する方を選んだとみられる。アフィニティとの取引当時より株式単価は下がったが、全量売却によってロッテレンタル関連の不確実性を払拭し、流動性を確保できるという点では意味合いは小さくない。
TPGの立場では、国内レンタカー首位の事業者を既存の取引と比べて低い価格で買収できる機会を得る。TPGはカカオモビリティーの第2位株主で、現在カカオモビリティーへの投資金回収策を模索している。業界では、TPGがロッテレンタルをカカオモビリティーと組み合わせ、車両運用、レンタカー、中古車売却、プラットフォーム配車サービスを網羅するモビリティ事業ポートフォリオを構築したうえで企業価値を高める構想を持っているとみている。一部では、両社を束ねて将来8兆ウォン前後の評価額を目標に一括売却を進めることもあり得るとの観測が出ている。
ただしまだSPAが締結された段階ではないため、最終の売却額と取引構造は最終協議の過程で変わる可能性がある。ロッテとTPGはデューデリジェンスと価格交渉を経て細部条件を調整中だと伝えられる。