本記事は2026年6月17日15時51分にChosunBiz MoneyMove(MM)サイトに掲載された。
トラベルテック企業ヤノルジャの初期財務的投資家(FI)が保有持分の流動化に動いた。新規株式公開(IPO)が引き続き遅れるなか、一部の投資会社が持分を売却する代わりにこれを担保に資金を調達し、投資金回収効果を狙う動きとみられる。
17日投資銀行(IB)業界によると、ヤノルジャの一部FIは最近、保有持分を活用したストラクチャード・ファイナンス取引を推進している。主幹事はモルガン・スタンレーである。ヤノルジャ株式を担保に資金を調達し、その資金をファンド出資者(LP)への分配原資として活用する案が取り沙汰されている。
今回の取引は単純な既存株式の売却ではなく、株式担保融資とメザニン投資の性格が結合したストラクチャード・ディールに近い。投資家はヤノルジャ株式を担保として下方リスクを抑え、今後IPOや既存株式売却などのエグジットイベントが発生すれば投資金を返済される構造だ。FIにとっては保有持分を直ちに売らずとも現金を確保できる。
初期FIがこのような取引を進めるのは、ヤノルジャの上場が予想より遅れているためだ。ヤノルジャの企業価値は初期投資当時より大きく上昇したが、上場や既存株式の売却が実現しなければFIは投資金を回収できない。ファンド満期が近づくほどLPに分配する原資を用意する必要性が高まるため、FIの立場では保有持分を担保に先に現金を確保するのが最善と判断したとみられる。こうすれば持分をすぐに売却しなくてもファンドの回収実績を改善する効果を得られる。
ヤノルジャは2021年にソフトバンク・ビジョン・ファンドから約2兆ウォン規模の投資を誘致し、8兆ウォン台の企業価値を認められた。当時ソフトバンクは新株引受と既存株式の買い取りを通じてヤノルジャの持分約25%を確保した。ソフトバンクの投資単価と目標収益率を勘案すると、ヤノルジャが少なくとも10兆ウォン前後の企業価値を認められてこそ上場推進が本格化し得るとの見方が市場で継続的に提起されてきた。
ヤノルジャはその後、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーなどを主幹事に選任し、米ナスダック上場を推進した。しかしグローバルなプラットフォーム企業のバリュエーション調整や旅行・テック業種に対する投資心理の弱含みといった逆風により、上場作業はなかなか進捗しない。イスジン総括代表の目線(評価基準)の高さも上場時期を遅らせる要因として取り沙汰されている。
ヤノルジャの初期投資家にはSLインベストメント、SBI Investment KOREA、スカイレイクインベストメント、AJU IB INVESTMENT、ハンファ資産運用などがある。SLインベストメントとSBI Investment KOREAは2016年に投資し、スカイレイクとAJU IB INVESTMENT、ハンファ資産運用などは2017〜2018年にフォローオン投資に参加した。
IB業界では、今回の取引もまたヤノルジャの企業価値がどの水準で算定されるかが核心変数になり得るとみている。FIと投資家の間の取引ではあるが、上場を推進すべきヤノルジャとソフトバンクの立場では企業価値が低く設定されることを容認できないためだ。
また投資家の立場では、ヤノルジャの上場時期が不確実なだけに保守的な担保認定比率(LTV)を求める可能性が高い。早期償還条項や追加担保の提供、企業価値下落時の保護装置なども取引条件に含まれ得る。