この記事は2026年6月1日15時31分にChosunBiz MoneyMove(MM)サイトに掲出された。
Poongsanが防衛産業(防衛関連)事業部門の売却を再検討している。4月にハンファグループとの売却交渉が決裂したものの、借入金負担と承継問題のため最終的には防衛部門を売却するとの見方が少なくない中、水面下で買収候補者を探しているとされる。
カギは売却価格だ。先に業界では双方が1兆5000億ウォン水準の売却価格を巡って交渉したと伝えられたが、実際にはPoongsan側が2兆〜3兆ウォンの価格を期待しており、目線の差が大きく取引が成立しなかったとみられる。
1日、投資銀行(IB)業界によると、Poongsanは防衛部門の分離売却案を改めて検討しているとされる。Poongsanは4月にハンファエアロスペースと弾薬事業部の売却交渉を進めたが、価格など条件を巡る隔たりを埋められず取引は白紙となった。
当時Poongsanは人的分割で防衛部門を切り出した後、豊山ホールディングスが保有することになる新設防衛法人の持分38%をハンファ側に売却する方式を検討した。今回も同様の方式で売却を進める可能性が高いとされる。
Poongsanが防衛売却カードを完全に引っ込めにくい背景には財務負担がある。今すぐではないにせよ、いずれ本格的に売却に着手するとの観測が出る理由だ。Poongsanの今年第1四半期末の連結ベース短期借入金は5894億ウォン、流動性長期負債は1157億ウォンだった。1年以内に満期を迎える借入金だけで7051億ウォン水準である。
これに社債2794億ウォンと長期借入金1469億ウォンを加えると、借入金性金融負債は1兆1300億ウォンを上回る。一方、連結ベースの現金及び現金同等資産は3032億ウォンにとどまった。
先に市場ではPoongsanの防衛部門の売却価格として1兆5000億ウォン前後が取り沙汰された。これは新設防衛法人の全体価値ではなく、豊山ホールディングスが保有することになる新設法人持分38%に経営権プレミアム20〜30%を上乗せした価格だった。
しかしIBおよび防衛業界では、Poongsan側が1兆5000億ウォンよりはるかに高い価格を期待していたとの話が出ている。内情に詳しい関係者によれば、Poongsan側は新設防衛法人持分38%の経営権売却価格として2兆〜3兆ウォン水準を念頭に置いていたとされる。これを基に逆算すると、Poongsanは防衛法人の全体企業価値(EV)を約4兆〜6兆ウォン水準と自ら評価したと推定される。
業界関係者は「もともと市場ではハンファ以外にも他の買い手がいるとの話が出ており、このためハンファも高い価格を認める考えがあった」と述べ、「しかし結局のところ真の買い手がハンファだけだと判明すると、価格交渉の主導権がハンファ側に移ったと理解している」と語った。
問題は、Poongsanが防衛部門の売却を再推進しても2兆ウォン以上の価格を認められるかどうかだ。証券街が示したPoongsan防衛部門の今年のEBITDA(利払前・税引前・償却前利益)見通しは約2200億〜2600億ウォン水準である。
これを勘案すると2兆ウォン前後の売却価格は常識的な水準と判断できる。防衛部門のEV/EBITDA適正倍率16〜18倍を適用して単純計算すると、Poongsanの防衛部門の全体EVは最大4兆7000億ウォンまで上がる。そのうち豊山ホールディングスが保有する持分38%の単純持分価値だけを計算しても最大約1兆8000億ウォンに達する。ここに経営権プレミアムを加えれば、2兆ウォン前後の価格は無理な水準とは言い難い。
一方で3兆ウォンは重い価格だ。防衛部門持分38%の売却価格が3兆ウォンであれば、今年の予想EBITDAに最大30倍を適用しなければならない。ために業界では、3兆ウォンはPoongsanが実際の取引で貫徹しようとした価格というより、身の丈を引き上げるために提示した交渉用の上限価格に近かったとの解釈が出ている。
財務負担や今後の承継構図を踏まえると、Poongsanが防衛部門を売却する可能性が高いのは事実だが、だからといって切迫した状況というわけではない。防衛は現在、Poongsanグループの中核収益源である。売上比重は30%前後だが営業利益への寄与度は75%に迫る。またウクライナ・ロシア戦争以降、弾薬需要が急増し、国内で大口径弾薬を安定的に生産できる事業者の希少性も高まっている状況だ。