この記事は2026年5月18日16時16分にChosunBiz MoneyMove(MM)サイトに掲載された。
斗山グループのSKシルトロン買収が崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長の個人持ち分まで含む100%買収の枠組みに拡大し、崔会長保有持ち分の価格算定に関心が集まっている。
崔会長の持ち分は単独では経営権を伴わない少数持ち分の性格が強い。したがって斗山が崔会長の持ち分に経営権持ち分と類似の価格を適用する場合、最大株主であるSK(株)が享受すべき経営権プレミアムの一部がグループ総帥個人に配分されるのではないかという論争が提起され得る。もちろん反対意見もある。斗山がSKシルトロンの持ち分全体を一つの経営権パッケージとして取り扱い買収するなら、崔会長の持ち分にも一定水準のプレミアムを認めるのが自然だという分析も出ている。
◇ SK(株)と切り離して売却し「私益追求」論争を遮断
18日投資銀行(IB)業界によると、斗山グループはSK(株)が直接保有するSKシルトロン持ち分51%およびSK(株)とトータル・リターン・スワップ(TRS)契約で連動する持ち分19.6%など計70.6%について、近く株式売買契約(SPA)を締結する方向で推進中だ。崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長とTRS契約で連動する29.4%の持ち分は別途契約を通じ年内に買収する予定だと伝えられている。
崔会長の持ち分売却はSK(株)の持ち分売却とは別個に進められる。崔会長が経営権持ち分の売却に便乗して私益を得ようとしているという論争が浮上する懸念があり、2件の契約を分離して進行していると把握される。
業界によれば今回の取引の全体規模は5兆ウォン台半ばとされる。これまでSK(株)側70.6%持ち分の価値が4兆ウォン前後とされていたことを勘案すると、単純計算で崔会長持ち分の評価額は1兆5000億ウォン前後と推算される。
もしSK(株)側70.6%持ち分の価値が4兆ウォンで確定すると仮定すれば、これを100%基準に換算した企業価値は約5兆7000億ウォンだ。崔会長の持ち分29.4%が1兆5000億ウォンで売れると仮定するなら、100%換算価値は約5兆1000億ウォンだ。この場合、崔会長の持ち分にはSK(株)側の持ち分よりやや低いプレミアムが適用されたとみることができる。ただし崔会長の持ち分価値はまだ確定していないため、今後調整の余地がある見通しだ。
今回の取引は過去のSKシルトロン持ち分取得論争と絡み、市場の関心を集めざるを得ない。崔会長は2017年にSK(株)がLGシルトロンを買収する過程で個人資格で残余持ち分29.4%を取得したが、当時この取引を巡り会社機会の私的流用論争が提起された。この問題は公正取引委員会の制裁とSK(株)・崔会長側の行政訴訟にもつながった。
資本市場専門の弁護士は「もし崔会長が自身の持ち分をSK(株)の経営権持ち分と同じ価格で売るなら、SK(株)の株主は『われわれが受けるべき経営権プレミアムをなぜ総帥と共有するのか』と考え得る」と述べ、「過去の公取委の制裁まで蒸し返され、再び論争となる可能性もある」と語った。
しかし公取委との行政訴訟が崔会長の勝訴で終わった点から、今回の取引が違法性論争を生む可能性は限定的だとの見方もある。昨年最高裁は崔会長のSKシルトロン持ち分取得を会社機会の私的流用と断定し難いと最終判断した。既に司法判断を通じ過去の取得過程の違法性が否定された以上、今回の売却も価格算定の妥当性と取締役会の意思決定手続きが裏付けられれば、法的問題に発展する可能性は大きくないという分析だ。
資本市場専門の弁護士は「行政訴訟が終結する前に崔会長が持ち分売却に動いていれば、個人持ち分取得の目的は結局のところ利ざやの実現ではなかったかという批判を免れ難かっただろう」とし、「しかし最高裁で持ち分取得過程の違法性が認められなかった以上、今回の売却の法的負担は相当部分和らいだとみることができる」と述べた。
◇ 持ち分100%を「経営権パッケージ」として取り扱えるか…斗山にボールが渡る見通し
法曹界では、今回の取引を「経営権持ち分の一括売却」構造とみれば、崔会長の持ち分に同一のプレミアムが適用されても問題視しにくいとの分析も出ている。斗山がSKシルトロンの持ち分70.6%の確保にとどまらず、崔会長保有分まで含めて事実上100%の持ち分を買収する構造なら、個別持ち分の性格よりも全体持ち分を一つの経営権パッケージとして評価できるということだ。
ある大手ローファームの弁護士は「崔会長の持ち分29.4%だけを切り離してみれば少数持ち分の性格が強いが、SK(株)保有持ち分とともに売却され、買収者が100%の持ち分を確保する構造であれば話は変わる」と述べ、「経営権移転を伴う全体取引の一部として評価できるため、同一のプレミアムが適用されたとしても直ちに不当とは言い難い」と説明した。
SKグループと崔会長が買い手である斗山側に価格算定のボールを渡すだろうとの観測も出ている。斗山がSKシルトロンを完全子会社に近い形で編入してガバナンスを単純化し安定的な経営権を確保しようとする以上、崔会長とTRSで連動する29.4%の持ち分まで併せて買収することが取引の完結性を高めるための不可避な選択だという論理だ。
業界では崔会長の持ち分価格の算定根拠がカギになるとみている。崔会長の持ち分にプレミアムを上乗せするために、取締役会が取引構造と価格算定の根拠を十分に検討したか、そしてSK(株)の株主利益を侵害しない方式で意思決定が行われたかどうかが重要だということだ。
◇ 「兆」単位で売れたシルトロン持ち分、離婚訴訟の財産分与の変数となる可能性は
もう一つ注目されるポイントは、崔会長がSKシルトロン持ち分を高値で売却することが、ノ・ソヨンアートセンターナビ館長との財産分与にどのような影響を及ぼすかという点だ。
지난2024年の崔会長とノ館長の離婚訴訟控訴審では、崔会長側のSKシルトロン持ち分価値が約7500億ウォンと評価された。2021年に受けた鑑定評価に基づく金額だ。非上場会社であるSKシルトロンは公表された市場価格がないため、鑑定過程で補充的評価方法などが適用された。当該評価額7500億ウォンは、崔会長側の持ち分価値からTRS手数料など数千億ウォンの費用を差し引いた金額だとされる。
ところがノ館長側は、財産分与対象財産の価額を破棄差戻審の弁論終結日基準で改めて算定すべきだと主張している。この論理に従えば、破棄差戻審の弁論終結前にSKシルトロンの売却が完了する場合、崔会長側のSKシルトロン持ち分価値も実際の売却価格を反映して再評価しなければならない。
一方で崔会長側は、分与対象財産の価額算定の基準日を破棄前の2審弁論終結日である2024年4月16日だと主張する。SKシルトロンがいくらで売れようと、売却対象財産の価額に影響を及ぼすことはできないということだ。
また崔会長側は、昨年の離婚訴訟上告審で最高裁がSK(株)株式などを分与対象から除外する趣旨で判断したと主張する。SK(株)株式が分与対象から外れるなら、これに関連する財産であるSKシルトロン持ち分も分与対象になり得ないというのが崔会長側の立場だ。
法曹界のある関係者は「最高裁が明確な判断を下したわけではないが、SKシルトロンの買収契約は夫婦間の共同生活がほとんどなかった2017年に純粋に経営上の判断で締結したものだ」と述べ、「SK(株)株式よりもなお分与対象になりにくい」と語った。