この稿は2025年12月24日17時28分にChosunBiz MoneyMoveサイトに掲載された。
高麗亜鉛の経営権を巡るチェ・ユンボム会長と永豊-MBKパートナーズ連合の争いは先行きを予測しにくくなった。チェ会長が米国に精錬所を建設するとして米政府を友好的な株主として取り込むことに成功したためだ。
裁判所は米政府がチェ会長の白馬(白馬将軍=救援者)役になる保証はないと判断したが、高麗亜鉛の経営権争いが1年以上続く局面で米政府が誰よりも強力なチェ会長の友好株主として登場したというのが業界関係者の共通見解だ。永豊-MBKとチェ会長側は来年3月の定時株主総会で議決権基準で2〜3%の差で3次戦を戦う見通しだ。
24日、投資銀行(IB)業界によると、この日米政府に対する高麗亜鉛の第三者割当増資が法的に可能になったことでチェ会長と特수関係者および友好株主の議決権持分率が従来の31.3%から38.8%に大幅に増えた。47.2%に達していた永豊-MBK側の議決権持分率は増資後42.1%に調整されると推定される。
この日ソウル中央地方法院民事合意50部(キム・サンフン首席副部長判事)は永豊-MBKが高麗亜鉛の新株発行を禁止してほしいとして申し立てた仮処分申請を却下した。これにより高麗亜鉛は26日に米政府と2兆8500億ウォン規模のジョイントベンチャー(JV)を設立し、JVを相手に第三者割当増資を実施できるようになった。結果的に米政府がJVを通じて高麗亜鉛の株式約10%を間接保有する構造になる。
今回の増資が完了すると高麗亜鉛の全株数は約22万株増えることになる。増資後の議決権株数(自己株式除く)は2039万3232株となる。
増資後、チェ氏一族(18.1%)、ハンファ(7.9%)、LG化学(1.9%)の議決権持分率にJV(10.8%)の持分を加えると、チェ会長側の友好持分は合計で38.8%に迫るとの計算になる。ただしハンファとLG化学の現持分率は公表されておらず変動の可能性がある。また公表されていない友好株主がさらに存在し議決権持分率が39%を超えるという推測もある。
増資後、永豊-MBKの議決権持分率は42.1%になると推定される。今回新株22万株が発行されると既存株主の保有株価値が大きく希薄化するためだ。永豊-MBKとチェ会長側の議決権持分率差は従来の15.9%から2〜3%に縮まることになる。
結局、両陣営は来年3月の定時株主総会でいわゆる『スイングボーター』に分類される外国系機関および国民年金(5.3%)の票を取り込むために力を入れなければならない状況だ。
今年初めの臨時株主総会当時、高麗亜鉛のスイングボーター12.5%のうち7%は外国系機関、4.5%は国民年金だった。個人および国内機関の比重は微少だった。
米政府を友好株主として迎えることに成功したことで、チェ会長は来年3月の定期株主総会を前にひとまず安堵できることになった。
現在、高麗亜鉛の取締役会はチェ会長側の人物11名、永豊-MBK側の人物4名で構成されている。
来年3月16日付で任期が満了する取締役はチェ会長、チョン・テウン代表理事、チャン・ヒョンジン永豊顧問、ファン・ドクナム社外取締役(取締役会議長)、キム・ドヒョン社外取締役、イ・ミンホ社外取締役など6名である。チャン顧問を除く残り5名はいずれもチェ会長側の人物だ。
業界では来年の定時株主総会で取締役会6席のうち米国枠1席を除く残り5席を巡り両者の票の争奪戦が激しくなると見ている。集中投票制が変数になる見込みだ。