この記事は2025年11月3日17時32分にChosunBiz MoneyMoveサイトに掲載された。
暁星化学が親会社である暁星に白金触媒2,000億ウォン分を売却した。まず大量に売却したうえで必要な分だけを再度借りて使用する一種の「セール・アンド・リースバック」構造を組んだものである。
このように貴金属をセール・アンド・リースバック方式で取引するのは珍しい。供給が限定的で生産地の地政学的変数により価格が急変動しやすく、一方が損失を負うリスクが存在するためである。それでも暁星グループが親子会社間で白金の売買を決めたのは、暁星化学の財務構造改善のために持株会社が全面的に支援する一環と見るべきだと業界では解釈している。
投資銀行(IB)業界によれば、暁星は暁星化学の用淵工場などで触媒として使用される白金を7万7,157トロイオンス(toz)以内の範囲で買い入れると先月31日に明らかにした。暁星は暁星化学の約33%の株式を保有する最大株主である。
あわせて暁星は買い入れた白金を暁星化学にリース形式で貸すことにした。1年間で最大200億ウォン分の白金を賃貸する。暁星化学の立場では高価な貴金属資産を流動化して現金を確保すると同時に、生産工程の安定性を維持できる。資産が長期間にわたり拘束されている構造から脱却して効率を高め、運転資本負担を軽減しようとする戦略と解釈される。
白金触媒はポリプロピレンおよび脱水素化工程で重要な役割を果たし、再生・回収して繰り返し使用する資産である。暁星化学のように大規模な触媒を長期保有する企業は運転資本が過度に拘束され得る。最近の化学市況の減速と資産回転率の低下が重なり、財務状況が悪化する可能性がある。
具体的に見ると暁星化学の立場では今回の取引で白金を処分することで棚卸資産を減らし、その代わり数千億ウォンの現金を一度に確保した。これは別表財務諸表で総資産の減少効果をもたらし、短期的には総資産利益率(ROA)など資産収益性指標を改善する可能性が高い。
ROAは当期純利益を総資産で割った値である。暁星化学の場合、昨年まで年間3,000億ウォンを超える当期純損失を計上しており、総資産は約2兆7,000億ウォンに達する。毎年ROAがマイナスを記録していたのである。
暁星化学がセール・アンド・リースバック方式で白金を賃借すると、棚卸資産が減る代わりに使用権資産が増える。ただし減少する棚卸資産が2,000億ウォンであるのに対し、直ちに増える使用権資産は200億ウォンに過ぎない。年間の触媒使用分が200億ウォン相当以下であるためである。
暁星の立場では貴金属を取得して資産として計上し、暁星化学に賃貸して賃貸収益を得る構造である。白金のような貴金属を個別の会社が別々に保有・管理するのではなく、親会社が一か所に集めて管理する方式に変えたことになる。高価な資産をあちこちに散らさず本社金庫に保管し、必要なときに貸し出して使う構造で効率化したのである。
暁星は連結基準では収益と費用が相殺され実質的な影響は限定的と見られる。しかし子会社に流動性を供給する代わりに貴金属価格変動という本質的リスクを負わざるを得ない。白金はグローバル景気、自動車触媒需要、採掘国の政治リスクなどにより価格変動性が大きい資産である。暁星は取得時点と比較して価格が下落した場合、評価損を甘受する必要がある。
今回の譲渡価額は期待買入数量以内で最近1か月内のニューヨーク商業取引所の白金先物最高値(トロイオンス当たり1,770ドル)を適用して算定された。「今後の売買契約時の単価および為替変動などにより変更される可能性がある」という但し書きを付けたが、今後内部取引価格の適正性について争いが生じる可能性はある。
白金価格は大幅に上昇している。ニューヨーク商業取引所で白金先物2026年1月物の価格は今年中盤まではトロイオンス当たり約1,200ドル前後にとどまっていたが、9月以降急騰し1,600ドル台を突破した。特に10月中旬には年初来高水準を記録した。6か月で見ると60%超上昇している。
IB業界のある関係者は「子会社への不当な支援や私益供与の問題に発展させないためには、実際のリース条件と決済構造が市場価格に近接している必要がある」と述べた。
暁星は暁星化学の財務構造改善のために資金面・非資金面で支援を惜しまない。今回の白金買入に加え暁星化学に転換社債(CB)で1,000億ウォンを支援することにしたほか、暁星化学が「ニュースタHS第1号車」から2,000億ウォンを借り入れる際に信用補強を行ったこともある。