この記事は2025年11月2日11時31分にChosunBiz MoneyMoveサイトに表示された。
SKハイニックスの米国子会社ソリダイムの売却説が業界の一部で出ている。会社内部事情に詳しい業界関係者は「結局売るのが最善だ」と述べ、SKグループが内部的にソリダイムの売却オプションを巡って検討していると伝えた。
投資銀行(IB)業界によれば、最近売却説が出ているソリダイムはSKハイニックスがインテルのNANDフラッシュ事業を買収するために2021年に米国で設立した法人だ。NANDフラッシュを基盤とするソリッドステートドライブ(SSD)を企画・設計・販売する事業者だ。
SKハイニックスは先に2020年にインテルのNAND・SSD事業を約90億ドルで買収することで合意し、取引を2段階に分けて完了させた。第1段階は2021年12月に行われた。インテルのSSD事業部門と中国大連所在のNAND製造施設(ファブ)を買収し、この事業を運営する新法人ソリダイムを米カリフォルニア州サニーベールに設立した。
第2段階は今年上半期に行われた。インテルに残金約19億ドルを支払い、NANDフラッシュウェハ設計および製造関連の知的財産権(IP)、NANDフラッシュウェハの研究開発(R&D)人材、大連ファブの人材など残る有形・無形資産を最終的に買収した。
問題は「生産」を担う法人をどこに置くかだった。当初SKハイニックスはソリダイムを生産と販売を包含する会社にして米国で上場させることを目標にしていたと伝えられる。しかし米国の対中規制が強化されたため中国法人をソリダイムに置くことが難しくなり、結局生産法人はSKハイニックスの中国子会社(SK hynix Semiconductor Dalian)側に入ることになった。
IB業界の関係者は「SKハイニックスは生産法人を当初の計画通りソリダイムに置くか、それともハイニックスの下に置くか最後まで悩んでいたようだ」と語った。
このような文脈でソリダイムの企業公開(IPO)の青写真は当初の構想と変わった。昨年SKハイニックスがソリダイムをニューヨーク証券取引所に上場させるという話が出たが、その後は音沙汰がない。
IB業界の関係者は「現状ではソリダイムは『製造を保有しない販売中心の法人』にとどまるため、IPO時の魅力が落ちるのは避けられない」と指摘し、「結局現実的にはソリダイムを売却する方向に進む可能性が高い」と説明した。
ただし一部ではソリダイムがSSDの設計および製品企画、営業機能に特化した会社としてナスダック上場を引き続き推進する価値はあるという意見も出ている。業界関係者は「今年の業績が昨年より大幅に改善されると予想されるため、今後この流れが数四半期続くなら上場ストーリーは十分に作れる」と述べた。