企業の広報物がタンブラーやボールペンから半導体工場と自走砲へと進化している。SKハイニックスの半導体生産工場から現代自動車の工場、現代ウィアの自走砲まで、企業の産業現場や製品を縮小して作った「ブロックグッズ」が新たな広報手段として定着している。
単純な販促物と異なり、消費者が自ら組み立てる過程で企業の技術や事業所に自然と触れられる点が強みとされる。
◇企業・機関の協業ブロックは300余種…販売量1位はSKハイニックス
10日、国内ブロックメーカーのオックスフォードによると、現在の企業・機関協業製品は300余種に達する。SKハイニックス(000660) 半導体生産工場(ファブ)をはじめ、現代自動車(005380) 生産工場、HD現代重工業(329180) ドックなどの産業現場はもちろん、現代ウィア(011210) 軽量化105mm自走砲、HANMI Semiconductor(042700) TCボンダーなどもブロックで作られた。
最も多く売れたのはSKハイニックスと作ったブロックである。オックスフォードによると、SKハイニックス協業の製品3種は初回発注と再発注を合わせ、これまでに5万個以上販売された。
警察庁と海洋警察庁関連のブロックも製品別に平均2万個以上が出た。警察庁の「チャムスリヘリ(KUH-1P)」と警察特攻隊の車輪型装甲車、水素電気バスなどがブロックで作られ、海洋警察とは「海保護作戦」「人命救助作戦」などを披露した。
企業ブロックは役職員の家族に会社を知らせる手段としても活用される。SKハイニックスは2022~2024年のこどもの日を前に、満4歳以上の子どもがいる役職員の家庭に清州M11と利川M16工場をモチーフにしたブロックを贈った。半導体生産施設内部のガス配管や搬送システムまで実装した。
SKハイニックスで勤務する40代のA氏は「子どもが清州M11ブロックを組み立てながら『これは何』と尋ねたとき、自分が働く場所を説明できて誇らしかった」と述べ、「子どもはブロックを楽しみながら、親がどんな場所で働くのかも自然に知ることになる」と語った。
一般消費者が直接購入してマニア層が形成されることもある。現代ウィアの自走砲ブロックなどを購入した消費者は、ブロックコミュニティに後続製品の発売を期待する書き込みをしている。
◇工場に出向きパイプの太さまで…製作に80~90日
企業ブロックは既存の玩具に会社ロゴだけを付ける販促物とは異なる。構造が複雑だったり精密な実装が必要な場合、開発者が実際の工場や産業施設を訪ね、設備や構造を直接確認したうえでブロックに落とし込む。
オックスフォード関係者は「実際の訪問まで行うプロジェクトは、構造が複雑だったり一般的な製品より精密な実装が必要な場合が多い」と述べ、「施設の形態をそのまま縮小することと、ブロックで実装することの間で適切なバランスを見つける作業が重要だ」と語った。
現代建設のOIL&GASプラントブロックが代表的だ。開発過程ではプラントの外観だけでなく、基礎構造と設備配置、パイプの厚さと接続方式、曲率まで分析した。規格化された四角いブロックで複雑な曲線や設備を表現しなければならず、試作品も数回修正した。
デザインと設計が終わると、試作品の製作と検収、修正作業が繰り返される。プロジェクトを開始してからオックスフォードの釜山工場で実際の製品が生産されるまで、通常80~90日かかる。
◇販促物を越え「ブランドコンテンツ」に…売上は年30%成長
企業がブロックを求める理由は広報効果にある。ロゴが刻まれたタンブラーや文具のように一度受け取って使う販促物と異なり、ブロックは消費者が数十〜数百個の部品を自ら組み立てながら、企業の製品と技術をのぞき込むことになる。
オックスフォードは約20年前から企業の特販事業を運営してきたが、最近は関連市場が急速に成長していると説明した。ある企業がブロックを出せば、同じ業種の他の企業からも製作の問い合わせが入る場合が少なくないという。
企業・機関協業ブロックの売上は最近、年平均約30%増加した。オックスフォードもこれに合わせ、多品種少量生産が可能となるよう生産体制を強化している。
オックスフォード関係者は「最小注文数量は3000個水準だが、企業の要求が変化している」と述べ、「過去には1種類を大量製作しようとしたが、最近は複数の施設や製品をそれぞれブロックで作り、シリーズ化しようとする需要が増えた」と語った。
続けて「工場や代表製品自体が企業の技術とブランドを示すコンテンツになっている」と述べ、「企業がブロックを単なる記念品ではなく、ブランドを知らせる手段として活用する事例がさらに増えるとみる」とした。