消防庁は女性消防公務員死亡事件を契機に実施した「消防組織文化診断アンケート」分析結果、会食出席の強要など一部慣行の改善必要性が確認されたと21日明らかにした。
今回の調査は7月6日から19日まで全国の消防公務員6万5973人を対象に実施され、1万6111人(24.4%)が参加した。
アンケートに参加した消防官のうち直近1年間に「私的利益の要求」を受けたとの回答は4.9%(785人)だった。直近1年間に「不当な飲酒文化」を経験したとの回答率も4.3%(686人)だった。こうした行為をした者としてチーム長級が40%前後指摘された。
直近1年間に「非人格的な待遇」を経験したという場合は6.4%(1036人)だった。非人格的待遇の主な行為者は同僚・先後輩(35.7%)だった。
また集団別分析では不正経験率が中堅年次と女性職員で相対的に高く現れた。例えば非人格的待遇を経験したという比率は男性消防官は5.8%だったが、女性消防官は12%だった。
不当行為を経験した後、監察部署への通報など公式チャネルを利用したケースはごく少数だった。私的利益要求の経験者の1.8%、不当な飲酒文化の経験者の0.8%、非人格的待遇の経験者の3.3%だけが公式チャネルを利用した。70%前後は「何も言えなかった」とした。業務・人事上の不利益への懸念や、問題を提起しても状況は変わらないとの認識などが主な理由に挙げられた。
その他の意見としては、学縁・地縁・血縁による人事・昇進や特定ラインの厚遇など人事の公正性に対する問題提起があり、上級者のパワハラだけでなく下級者の職務怠慢や無分別な通報など、いわゆる「乙質(立場の弱い側による不当行為)」への対策を求める意見もあった。
消防庁は通報者保護と監察の専門性、処理手続の公正性に対する信頼を高めることが、今後の組織文化改善の重要課題だとみている。
消防庁は今回のアンケート結果とともに特別監察団の活動、集中的な匿名通報などを総合し、来月中に「組織文化刷新総合対策」を用意し、詳細実行課題と点検体制を具体化する計画だ。