ソウル市が、市民が家を出た瞬間から目的地まで、暑さを避けて快適に歩ける「日陰歩行権」を都市政策の基本原則として導入する。来年までに人通りの多い生活街路10カ所を選定し、日陰を生み出す施設の設置に乗り出す。これを起点に2028年までにソウル全域で日陰を整備する計画である。

オ・セフン・ソウル市長。/News1

呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は19日、ソウル市庁で「ソウル日陰歩行権宣言」記者説明会を開き、「日陰を一部の場所

でのみ享受する利便施設ではなく、市民の健康と日常を守る都市の基本サービスにする」と明らかにした。

日陰歩行権は、市民が日常的な歩行動線で一定水準の日陰を途切れなく享受できるよう、都市空間を計画・管理する政策概念である。樹木や日よけの数ではなく、市民が歩き、待ち、休む間の実際の日陰の面積と持続時間、連続性を基準とする。

日陰整備の前後イメージ。上段は勾配のある生活街路に日陰を設けた様子、下段は清渓川の余暇街路の整備前後の様子。/ソウル市提供

ソウル市は都市基本計画と生活圏計画に日陰歩行権を反映し、地区単位計画・整備事業・公共建築事業など実際の空間を変える事業に段階的に適用する。街路樹

や庭園、建物の陰、キャノピー、オーニング、公開空地と公共歩行通路を一つの体系でつなぎ、個別施設という「点」を生活圏の日陰の道という「線」へと結ぶ計画である。

ソウル市が都心での日陰確保に乗り出すのは市民の安全のためである。猛暑でも通勤・登校・買い物といった日常生活や公共交通の利用を余儀なくされる市民にとって、長時間にわたる日光曝露は危険になり得る。疾病管理庁の熱関連疾患救急室監視体系によると、2023〜2025年のソウルの熱関連疾患者815人のうち、路上で発生した患者が31.4%で最も多かった。

しかし、日陰が不足したり歩行動線が途切れる区間が少なくないことが分かった。ソウル市は歩道6万7029カ所、総延長4031kmを対象に、建物と街路樹が作る日陰を分析した。その結果、ソウルの歩道の平均日光曝露時間は4時間21分であった。全区間の27.6%は6時間以上日光に曝露されていた。

また、ソウルの歩道の平均日陰比率は44.4%と調査された。建物の陰が29.2%、街路

樹の陰が15.2%である。特に正午前後に建物の陰が短くなる時間帯には、街路樹が不足する日陰を補完することが分かった。歩行時の日陰を十分に確保するためには、街路樹を増やすだけでなく、建物の高さと位置、道路の方向、歩道幅、植栽空間と日よけ施設を併せて計画する必要があることを意味する。

ソウル市は日陰の道の整備に向け、3段階の戦略を進める。日陰が必要な場所を正確に「見つけ」、場所の条件に合うように「作り」、市民の日常動線に沿って途切れなく「つなぐ」という計画である。

まず、日光曝露時間と市民の実際の歩行動線を併せて分析し、日陰の拡充が急がれる場所を探す。単に日差しが強い場所だけを選ぶのではなく、歩行者数や高齢者など猛暑の脆弱層の利用状況、屋外での待機時間、施設設置の可能性と改善効果を総合して優先順位を定める。

日陰の整備は場所の広さと利用形態に合わせて行う。樹木を植えられる場所には自然の日陰を優先的に確保し、地下埋設物や狭い歩道などで樹木の植栽が難しい場所には、季節型のシェードやキャノピー、オーニング、小規模な休憩所を設置する。あわせて、個別施設を主要な生活空間とつなぎ、生活圏の日陰の道として結ぶ計画である。住宅地と地下鉄駅、学校、市場、病院、公園などを結び、樹木の植栽が難しい区間はキャノピーとオーニングで補完し、実際の移動経路で日陰が途切れないようにする。

ソウル市は来年までに市民と観光客の利用が多い、もしくは日陰が不足する生活街路10カ所を対象に、試験事業を進める。対象地は日光曝露時間と歩行者数、高齢人口、日陰の分断度、施設設置の可能性を総合して選定する。広い歩道や狭い歩道、スロープなど、異なる条件に合う日陰整備方式を適用したうえで、事業の前後で日陰面積と体感温度、市民の利用率と満足度を測定する。効果が確認された方式は標準モデルとし、不十分な施設は補完して、2028年からソウル全域へ拡大する。

呉世勲(オ・セフン)市長は「庭園都市ソウルを通じて生活圏の緑地を増やしてきたとすれば、日陰歩行権はそれを家から目的地までつなぐ次の段階だ」と述べ、「日陰が必要な場所に合わせた施設を整備し、生活圏ごとに途切れなく連結して、誰もが夏でも安全で快適に歩けるソウルを実現する」と語った。

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