12日午後4時、ソウル・モクドン野球場前で会った姓キムの人物(78)はこう語った。キムはインチョン高第66回卒業生で、同窓の息子と球場を訪れた。ペジェ高はこの日、インチョン高を相手に第54回鳳凰大旗全国高校野球大会1回戦を戦う。5・18民主化運動を貶めたとの論争で懲戒を受けてから45日ぶりだった。
試合1時間前から応援の人波が集まり始めた。選手の家族と友人が大半だった。普段から高校野球を好んで観戦するというファンも、選手の写真と応援パンフレットを手に客席へ向かった。
試合への期待感とともに慎重な表情が交錯した。ペジェ高の選手である友人を応援するために球場を訪れた高校生Aさんは「先の論争のため、周囲には応援で来場することをできるだけ知らせなかった」とし、「誤った応援をした部分は批判されて当然だが、事態が過熱した側面もあると思う」と述べた。
ペジェ高の選手団はこの日午後3時30分ごろ球場に到着した。約25分間バスの中で待機していた一行は三塁ダグアウトへ向かった。周辺から聞こえる応援に特別な反応はしなかった。
選手団を率いていたクォン・オヨン・ペジェ高野球部監督は学校の独自懲戒で職務から外れ、球場に姿を見せなかった。監督代行を務めたイ・ジャンファンコーチは移動前に「本当に申し訳なく思っている」とし「良い姿であいさつしたい」と述べた。
球場の電光掲示板には「相手嘲弄 OUT」「歴史嘲弄 OUT」などの文言が映し出された。ペジェ高が使用する三塁側の観客席には「必勝ペジェ高等学校野球部」「大きくなりたくば人に仕えよ」などの文言が記されたペジェ学堂総同窓会名義の横断幕も掲げられた。
応援に訪れたキム・ドンヨン・ペジェ高総同窓会長は「選手を激励するためパンと水120人分を同窓たちと用意した」と語った。ある同窓会会員は「過熱した応援は控えてほしいという保護者側の要請もあった」と耳打ちした。
試合中もペジェ高側の観客は落ち着いた応援を続けた。時折ペジェ高の校歌を歌ったり、選手の名前を呼んで「行こう! 行こう!」という掛け声だけを上げた。
今回の試合は、ペジェ高が6月29日、青龍旗全国高校野球選手権大会兼ウィークエンドリーグ王中王戦で光州第一高(光州日高)と1回戦を戦って以降、45日ぶりに行う公式戦である。
先にペジェ高野球部は青龍旗の試合中、光州日高に向けて「スターバックスへ行こう」「タンクデー」などのスローガンを叫んだ。これにより5・18民主化運動を貶めたという論争が持ち上がり、大韓野球ソフトボール協会のスポーツ公正委員会はペジェ高に全国大会6カ月出場停止処分を下した。
ただし大韓体育会のスポーツ公正委員会が懲戒を「1カ月の出場停止」へ大幅に減軽し、ペジェ高は鳳凰大旗への出場の道が開けた。ペジェ高野球部36人全員が光州日高を訪れて謝罪し、国立5・18民主墓地に参拝したことが情状として考慮されたとされる。