猛暑を避け、24時間冷房が稼働する仁川国際空港に向かう野宿者が増えている。野宿者が旅行客用カートに荷物を積み上げたり、旅客用の椅子を長時間占有する姿が見られている。事実上、仁川空港が猛暑を避ける「24時間の避暑先」になった格好だ。

しかし、悪臭や座席の長時間占有などを巡る利用客の苦情が相次ぎ、仁川国際空港公社は野宿者を対象に退去の指導に乗り出した。空港の秩序と利用客の利便のために野宿行為を制限すべきだとの声が出る一方、猛暑の中で行き場のない人々を外へ追い出すだけでは根本的な解決策になり得ないとの反論もある。

ホームレスが仁川国際空港内の椅子で寝ている。/Threads

10日、航空業界によると、最近の仁川空港では猛暑を避けてターミナルに長時間とどまる野宿者が各所で目撃されている。

ある旅行客は「入国ゲートを出た後、トイレを利用しようとしたが、入口付近にとどまっていた野宿者からする臭いがひどくて入れなかった」と語った。別の旅行客は「外国人が韓国に到着して最初に向き合う空間が空港なのに、良くない印象を与えるのではないかと懸念した」と述べた。

◇野宿者が集まる仁川空港…猛暑下の「24時間避暑先」

野宿者が仁川空港を訪れる最大の理由として猛暑が挙がる。仁川空港は24時間運営され、冷房が継続稼働しており、日中はもちろん熱帯夜でも暑さをしのげる。トイレや椅子などの利便施設を利用でき、ソウル駅から空港鉄道で一度に移動できる点もアクセス性を高める。

仁川国際空港公社は空港にとどまる野宿者に休憩所や福祉施設への入所を案内しているが、長期の野宿者の中には相談や施設入所を拒むケースも少なくないと伝えられている。

公社は最近、野宿者の荷物などに退去命令書を貼り付け、移動を求めている。命令書には空港内での野宿行為を中止しターミナルの外へ移動するよう求める内容とともに、不応の場合は空港施設法に基づく処罰の可能性も記されている。

これに対し、野宿者人権団体のホームレス行動は「公共空間からホームレスを追い出すのは問題を他所へ押し付けることだ」として退去措置の中止を求めた。同団体は12日、仁川空港前で記者会見を開く予定だ。

◇「追い出せば猛暑、置けば苦情」…空港のジレンマ

空港公社も野宿者を無条件に外へ追い出すのは難しいとの立場だ。利用客の利便と空港の秩序を考慮すれば退去が必要だが、猛暑の中で外へ出した後に熱中症などの安全事故が発生する可能性もあるためだ。

ある仁川空港公社の関係者は「空港イメージと利用客の利便を考えると積極的な退去が必要で、空港施設法上の根拠もある」としつつも、「退去後に猛暑で事故が発生すれば責任問題が提起され得るため、強制執行には負担がある」と述べた。

現在の退去命令書も、実際の強制退去というよりは指導の性格が強い。公社関係者は「現実的には移動を要請するのが公社として取り得る最大限の措置だ」とした。

◇空港の秩序か猛暑下の安全か…政府レベルの解決策が必要

野宿者保護業務を担う地方自治体も、現場で休憩所や仮宿舎への入所を勧めているが、長期の野宿者の場合は説得に限界があるとの説明だ。

ヨンジョングチョン生活保障課の関係者は「短期の野宿者は福祉サービスの案内に比較的協力的だが、長期の野宿者は面談自体を拒む場合もあり、指導は容易ではない」と述べた。

結局、仁川空港の問題は空港公社一つの施設管理だけでは解決しにくいとの指摘が出ている。空港の秩序と利用客の利便だけでなく、野宿者の福祉や猛暑期の安全問題まで絡み合っているためだ。

航空業界の関係者は「仁川空港公社だけに対応を任せては解決が難しい」とし、「政府レベルで野宿者保護と猛暑の脆弱層の安全、空港の秩序を併せて考慮した原則を整備する必要がある」と述べた。

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