チキンのドラム(脚)に先に一口かじりついた彼氏と、それに不満を募らせ怒った彼女では、どちらの過ちが大きいのか。つらいとして約束を取り消した恋人と、事情を汲まず約束を守れと求めた恋人では、どちらにより大きな責任があるのか。

以前なら友人や家族に打ち明けたり恋人同士で解決したはずの問題を、いまは人工知能(AI)に尋ねる人が増えている。恋人間の対立における争点と責任を分析し、判決文の形式で意見を示すAIサービスまで登場した。

グラフィック=##ChatGPT## ダリ

6日ソーシャルメディア(SNS)などによると、最近、恋人間の葛藤を裁判形式で解きほぐすアプリケーション(アプリ)「内マリマッチ」が注目を集めている。「内マリマッチ(私の言い分が正しいの意)」は、片方が葛藤状況を書き込むと相手も自分の立場を記し、AIが双方の主張と事実関係を整理して判決文形式の意見を提示する方式で作動する。

◇ささいな恋愛の悩みも「AI法廷」へ

アプリに寄せられるエピソードは、恋人の間でよく起こり得る事柄だ。チキンのドラムを先に一口かじった話から、外出着のままベッドに座ったり、皿洗いを2日間先延ばしにした話まで、AI法廷の判断対象になった。

人工知能(AI)カップル葛藤仲裁アプリ『ネマリマッチ』の投稿と判決内容。/Threadsキャプチャー

ある利用者は、彼氏が自分の就寝中にスマートフォンをこっそり確認したうえでパスワードを変更できないようにし、席を外すたびにスマートフォンを検査すると証言した。AIは「相手は申請人のプライバシーを尊重し、不安を助長する行為を直ちに中止すべきだ」とし、「心から謝罪し、互いの信頼を再び築くため努力すべきだ」と判断した。

約束の取り消しをめぐる対立もあった。彼氏は「約束が入っていても、心身がきつい日は取り消せる」と主張した。これに対し彼女は「本当に病気でないのなら、交わした約束は守るべきだ」と反論した。

AIはこの事案の争点を、約束を守る義務と相手のコンディションへの配慮の必要性のうち、どちらを優先すべきかに整理した。続けて「相手の疲労や休息の要請を十分に理解しないまま約束の履行を強要した態度に、より大きな責任がある」と判断した。

恋人が自分の携帯電話をこっそり見るという投稿に関し、ネマリマッチの人工知能(AI)判事がまとめた判決文。/ネマリマッチのウェブコミュニティのキャプチャー

ただし彼氏にも、自身の状態と要求を明確に説明し、約束が取り消されて寂しさを覚えたであろう彼女の感情を理解しようと努める必要があると求めた。一方を勝者に定めるより、互いの立場の違いを認め、コミュニケーションの方法を調整せよという結論だった。

内マリマッチの開発会社は、AIは恋愛の正解を下す絶対的な判事ではなく、感情が高ぶった恋人たちが各自の立場を文章で整理し、再び対話を始められるよう支援するコミュニケーションツールだと説明した。

◇恋愛相談・飲食店推薦・運動処方…日常になったAI

恋愛相談にとどまらず、生成型AIの活用範囲は、飲食店の推薦や運動法の提示、文書作成、翻訳など日常全般へと急速に拡大している。

国家データ庁は12月に、生成型AIサービスを含む「ソフトウエア購読料」を消費者物価指数の代表品目に新たに含める計画だ。生成型AIが一部利用者だけの珍しい技術を超え、一般家計が継続的に費用を支出する生活サービスとして定着したという意味である.

科学技術情報通信部の「2025インターネット利用実態調査」によると、韓国の国民の生成型AI利用経験率は44.5%で、1年前より11.2ポイント増加した。有料購読の比率も7.9%に達した。

日頃Geminiをよく活用している大学院生、姓キムの人物(28)は「AIに悩みを尋ねれば、私的な問題を周囲に公開せずに即座に答えを得られる利点がある」とし、「業務を処理する際も時間短縮に大いに役立つ」と語った。

グラフィック=##ChatGPT## ダリ

◇AIに依存するほど「思考能力」が低下…「ガイドラインが必要」

ただしAIの活用範囲が広がるほど、過度な依存への懸念も出ている。最近、法曹界では、AIが生成した虚偽の判例を、弁護士や事件関係者が検証なしに裁判所や捜査機関に提出する事態も起きた。

職場で対外協力業務を担当している姓パクの人物(38)は「チーム員が生成型AIで作成した企画案を持ってきたが、機械的な文体や事実関係の誤りをほとんど検討しておらず、最初から手直ししたことがある」とし、「AIの活用自体は効率的だが、成果物を検証なしにそのまま使うのは別問題だ」と述べた.

実際、ソンギュンガン大学人工知能融合学科の研究員チュ・ソミと、イ・チャンジュン、イ・デホ両教授の研究チームが大学生88人を対象に実験した結果、AIへの依存度が高まるほど、自ら思考し内容を検証する過程が減少する傾向が示された。AI依存度の高い学生は実際の試験成績が低かったが、自分では「勉強がうまくいった」と認識する、いわゆる「学習の錯覚」現象も見られた。

AIの活用範囲が急速に広がるなか、これを正しく使う方法に関する社会的な議論と教育が必要だとの指摘が出ている。ソンギュンガン大学のイ・チャンジュン教授は「生成型AIを判断を代替する道具ではなく、思考を支援する補助的な道具として正しく使えるよう、教育的ガイドラインを整備する必要がある」と述べた。

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