7月31日午後。ソウル鐘路区のタプゴル公園は体感温度33度に迫る猛暑のせいか人影がまばらだった。あずまやに集まった高齢者はひっきりなしにうちわであおぎ、暑さをしのいでいた。ベンチや石のいすに三々五々集まり談笑したり、こっくりこっくり居眠りする人もいた。静かな雰囲気の中、外国人観光客10人余りにガイドがタプゴル公園の歴史を説明する声だけが聞こえた。
週に3〜4回はタプゴル公園に来るという姓キムの人物(76)は「いつも集まる人たちがいるので暑いがよく来る」と述べ、「もう将棋は指さず、暮らしの話をして別れることが多い」と語った。
同じ日、タプゴル公園から徒歩で5分ほど離れた楽園商街1階は全く違う雰囲気だった。今年2月に新設された「タプゴルお年寄り文化遊び場」は空席を見つけにくいほど混み合っていた。
一時はソウル鐘路区のタプゴル公園の塀の外までびっしり並んでいた将棋盤と囲碁盤が姿を消して1年が過ぎる中、近隣の楽園商街が新たな「人気スポット」として定着した。屋外のタプゴル公園と異なり室内であるため、猛暑の避暑スペースの役割も果たしている。
タプゴル公園の塀の外まで長蛇の列を成していた囲碁盤と将棋盤は昨年7月31日を境にすべて姿を消した。2002年に制定されたタプゴル公園利用規則にも娯楽行為禁止の規定があったが、本格的な指導に乗り出したのは昨年からだ。
鐘路区は指導以後、歩行環境が改善し、文化財の景観が以前よりすっきりしたと評価した。年間1000件を上回っていたタプゴル公園近隣の112通報件数も急減したと伝えられた。
囲碁や将棋を楽しむ高齢者はタプゴルお年寄り文化遊び場へ移った。17台の将棋・囲碁盤が置かれた室内では「早く打って」「当たりだよ」といった掛け声と笑い声が続いた。各テーブルごとに横に立って口出しする人も少なくなかった。
タプゴルお年寄り文化遊び場には1日最大250人が訪れるという。当初は月曜日が休業日だったが、来訪者が想定より殺到したため、3月からは祝日を除き毎日開いている。
ソウル市のリアルタイム都市データによると、タプゴル公園と楽園商街があるイクソンドンの31日午後4時時点の60代以上の人口は27%で最も大きな比重を占めた。同時刻のすぐ隣のインサドン(18.8%)や昌徳宮・宗廟(22.1%)地域よりも60代以上の人口比重が大きかった。それだけ60代以上に人気の地域という意味だ。
とりわけ猛暑が続き、暑さを避けて訪れる足も少なくない。タプゴルお年寄り文化遊び場の関係者は「午前よりも、昼食後の午後12時30分から3時30分の間が最も混む」と述べ、「地方から訪れる高齢者も多い」と語った。
高齢者は新しい文化空間を歓迎しつつも、空間がもっと広くなり数も増えてほしいと打ち明けた。鐘路区の住民A(82)は「昼食を食べて少しでも遅く来ると席が足りず、口出しだけしなければならない」と語った。
キョンギ・クァチョンから週に三、四回この場所に来るというB(80)も「高齢者が気軽に休める場所は多くない」と述べ、「町ごとに高齢者が話し合い、互いに交流できる空間がもっと増えてほしい」と語った。