「魚の貴族」と呼ばれるミノー。/海洋水産部提供

「味はあっさりとして良い。生でも火を通してもすべて良い。」チョン・ヤクジョンは『自山魚譜』でミノーをこのように記した。

夏の滋養食の代表格とされる「貴族の魚」ミノーの季節が戻ってきた。初伏と中伏を前に、チョンナム・モクポとシナン・イムジャド沖ではミノー漁が最盛期を迎えている。8月の産卵期を前にしたミノーはこの頃、身が太り脂が乗る。栄養が豊富で食欲をそそり、古くから伏日(夏の土用に当たる日)の滋養食材として貴重な扱いを受けてきた。

ミノーの名称の由来。/国立水産科学院

ミノーという名称の由来には諸説がある。1つは、マアジモドキ(チョモ)やミノーなどを指す漢字語「面魚(鮸魚)」が口伝の過程でミノーとして定着したという説明である。

もう1つは、漁獲量が多く庶民が容易に食べられる魚という意味から「民魚」と呼ばれたという説である。ただし『自山魚譜』に記されるほど古くから注目され、士大夫の家で貴重な食材として通用していた点から、後者の説はやや説得力に欠けるとの評価もある。

ミノー漁は方法も独特である。漁師は海に出て船のエンジンを止め、竹筒を海中に入れる。ミノーが発する「クゥックゥッ」という音を聞くためだ。音が多く聞こえる場所に網を下ろしてミノーをすくい上げる。産卵期を前に群れをなして回遊するミノーが発する音が、漁場の位置を知らせる格好になる。

多くの魚は低脂肪高たんぱく食品だが、ミノーはその中でも夏の滋養食として数えられる。たんぱく質が豊富で筋肉と免疫細胞の形成を助け、体力の維持と回復にも良い。消化が比較的良く、患者や高齢者が食べても負担が少ない魚として知られている。ビタミンAとB群も含み、エネルギー代謝と疲労回復に役立つ。

心血管の健康管理にも有用な食材と評価される。ミノーには体内のナトリウム排出と血圧調節に関与するカリウムが含まれている。不飽和脂肪酸は血中コレステロール管理に資する可能性があり、カルシウムやリンなどの無機質は骨と歯の健康維持に必要である。

ミノーの珍味は特殊部位にある。代表的な部位が浮き袋だ。「ミノーが1000両なら浮き袋が900両」という言葉があるほど貴ばれる。コリコリした食感のミノーの浮き袋は刺身で食べることもあり、スープや鍋に入れて煮ればまた別の風味が出る。浮き袋にはゼラチンとコンドロイチン成分が含まれ、肌と関節の健康に役立つとされる。

夏場は魚が傷みやすいため、新鮮なミノーを見極める目利きも重要だ。目は澄んで透明であるべきで、えらは鮮紅色を帯び、粘液が少ないものが良い。身からはほのかな潮の香りがするはずで、生臭さが強ければ鮮度が落ちている可能性がある。

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