2003年12月に高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が韓国で初めて公式に発生した。そこから2025年までの22年間に合計1365件のHPAIが発生した。毎年冬に渡り鳥が朝鮮半島に飛来すると、例外なくHPAIが発生した。2020年11月から2024年5月までの4回の冬の間にHPAIで殺処分された家きんは5000万羽に迫る。農家に支給された殺処分の補償金は3000億ウォンを超える。

農家の所得はもちろん、食卓物価に及ぼす影響が相当なHPAIだが、効果的な防疫対策を用意できていない。HPAIを防ぐため全国の全ての畜産車両にGPSを取り付け、防疫人員を増やし、殺処分プロセスを体系化したが、毎年冬にHPAIは再発する。

新刊書籍『国家知能』の表紙。/パクヨンサ社

システムが回っているにもかかわらず、なぜ災厄は繰り返されるのか。HPAI発病を巡る国家防疫の危機をどう解消するのか。

1日に刊行した新刊書籍『国가지능』は、この問いに対する答えを探す旅路を透明に示す。

本書はデータテック企業ビッグバリューのグルム代表と農林畜産検疫本部のホン・スンギル書記官が共著した。2人はHPAI防疫のためのAI基盤のリスク予測モデル構築過程での経験をもとに国家AX(人工知能大転換)の方向性を示し、現実的な障害を考察する。

著者らは防疫ソリューションを構築する過程で数千件のデータを活用できると見込んだが、実際には60余りしかAIの材料として使えなかった。AIに活用できる「AI Ready Data」ではない点、かえって情報格差を生むデータ、継続的に生成される可能性が低いデータなど、数々の限界が露呈した。

これを克服し、活用可能なデータを通じて知能を構築した。この過程を著者らは「記録の知能化」と記した。「データがアルゴリズムを経て判断となり、判断が現場で行動へとつながる。そしてその行動の結果が再びデータとして蓄積され、次のバージョンのアルゴリズムを作る。これが止まらない知能のサイクルだ。」

このような過程を経て、7日かかっていたHPAIの疫学分析は10秒に圧縮された。リスクが発生する前に先に感知された。

『国家知能』はAXのバラ色の展望だけを語らない。むしろAX過程で経験する数多の挑戦を白書の形で解き明かした。まるで「誤答ノート」のように記載された失敗と克服の過程は、「AI大転換」が言うほど容易ではないことを示す。

著者らは述べる。「AX転換は優れた技術一つ、ソリューション一つを導入すれば終わる話ではない。問題を定義することから始め、データを扱う方式、測定して解釈する基準、そしてその結果を受け入れる行政業務全般を共に変えていく、遅くて骨の折れる過程である。」

『国가지능』は全5パート、14章で構成した。第1部ではなぜ今国家レベルのAXが必要なのか、既存のデジタル転換を越える新たなパラダイムは何かを説明する。続く第2部ではデータ中心行政の中核基盤である「AI-Readyデータ」構築方策を扱い、第3部では現場中心の行政革新と公共サービス転換戦略を提示する。また第4部では信頼と協力、市民参加を基盤としたAI社会の発展方向を見て、最後の第5部では韓国がグローバルAI競争時代に国家知能強国へ跳躍するための政策課題と国際標準戦略を提案する。

本書の推薦文を務めたイム・ムニョン国会議員(国家AI戦略委員会初代副委員長)は「著者らが検疫の現場で生み出した結果は、単なる成功事例を越えて、韓国の行政が『AI導入』を『AX転換』へと引き上げるために何を変えるべきかを具体的に示す」と述べ、「省庁とシステムが別々に回る行政を一つの知能で束ねること、今韓国が最も喫緊にやるべきことだ」と強調した。

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