消防庁が監査・監察権限の再設計に乗り出す。消防公務員が2020年に国家職へ転換されてから6年が経過したが、監査・監察機能は依然として地方自治体中心で運営され、「半分だけの国家職」との指摘が続いているためだ。最近の光州広域市の消防公務員死亡事件を機に、地方消防組織の内部監察の独立性と公正性をめぐる論争も拡大している。

李在明大統領/聯合ニュース

23日消防庁などによると、消防庁は9日、国家調達サイト「ナラジャンター(韓国の政府調達システム)」に「監査・監察の役割再設計方案」研究用役を緊急公告した。研究期間は5カ月である。消防庁は今回の研究を通じて、各市・道の消防組織別の監査・監察体制の差異と死角を分析し、国家単位の統一基準を整える必要があるか検討する計画だ。

◇大統領までが叱責した光州の消防校事件

今回の議論に火を付けたのは光州広域市の消防公務員死亡事件である。光州のクァンサン消防署所属の消防校は昨年10月に自ら命を絶った。その後、職場内いじめ疑惑が提起されたが、クァンサン消防署は独自調査から1週間で「特異事項なし」と結論づけた。

光州消防本部は、故人が婚約者との関係で困難を抱えたことが死亡原因だという趣旨の内容を公文に明記することもあった。遺族と婚約者は光州消防本部に監察を要求したが、5カ月を超えても監察は行われなかった。結局、遺族が消防庁に抗議訪問した後になってようやく監察が始まった。

昨年10月に極端な選択で命を絶った光州消防本部所属の女性消防公務員が、生前に婚約者へ飲酒を伴う会食の悩みを打ち明けたメッセージ。/News1

李在明大統領も当該事件に直接言及した。李大統領はこの日の国務会議で「二度と職場内のパワーハラスメントという話が出ないよう、各省庁と庁では内部の組織文化を徹底的に点検せよ」と述べた。11日にも李大統領は、関連消防官の死亡経緯と監察調査要請が黙殺された経緯まで調査するよう国務調整室に指示した。

◇国家職に転換されたが監査・監察は地方中心

消防公務員は2020年に国家職へ転換された。だが現場では依然として予算、人事、監査・監察機能の相当部分が地方自治体の体制内で運営されている。消防事務が地方自治法上、広域自治体の自治事務として規定され、消防公務員の任用権の一部も市・道知事に委任されているためだ。

このため消防組織の内外では、国家職転換後も指揮・監督体制が完全には整備されていないとの指摘が続いてきた。特に内部不祥事や職場内いじめ疑惑が発生した際に、市・道の消防本部が自ら調査する構造では独立性と公正性の確保が難しいとの批判が出ている。

消防庁も今回の研究用役公告で、監査・監察権の不在により職務の統一性と公正性の確保に限界がある点を研究の背景として示した。また、監査・監察機能の国家単位の基準を確立し、完全な国家職化の政策的基盤を整える必要があると説明した。

公務員労働組合総連盟消防公務員労働組合の組合員が11日、光州市庁前で光州消防本部の組織文化改善と女性消防公務員死亡事件の真相究明を求める記者会見を行った/公務員労働組合総連盟消防公務員労働組合提供

◇地域別の懲戒のばらつき・温情主義的処分も点検

消防庁は今回の研究を通じて、市・道の消防組織別における監査・監察の役割の差異と死角を精査する予定だ。構造的に監察が遅延または縮小される可能性があるかも点検する。警察など類似機関の監査・監察体制と比較し、消防組織に適したモデルも検討する。

特に直近5年間の懲戒状況と人事訴願審査(韓国の公務員に関する不服審査)結果を分析し、地域別の偏差があるかも確認する。同一または類似の不祥事行為に対して地域ごとに懲戒の厳しさが異なって適用されたか、いわゆる「温情主義的処分」の慣行があったかを検証するということだ。

消防庁は懲戒・不利益処分に対する異議申立ての結果も併せて分析する計画だ。これにより、現行の地方中心の監察体制が公正に機能しているか、国家単位の統一した監査・監察基準が必要かを判断する方針である。

◇消防庁の権限拡大の議論へつながる見通し

今回の研究結果により、消防庁が監査・監察権限を直接持つか、中央と地方の間で権限を再調整する議論が本格化する可能性がある。現在のように市・道消防本部中心で監察が行われる体制を維持するか、消防庁が主要事件を直接監察または指揮できるよう制度を改めるかが争点となる見通しだ。

消防庁関係者は「光州の消防校事件以前から監査・監察体制の改編の必要性を認識し、関連検討を進めてきた」と述べ、「今回の研究を通じて消防庁の監査・監察権限拡大の可能性と法・制度の改善策を検討し、推進方向を決定する予定だ」と語った。

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