全羅南道クァンヤンは韓国で最も早く梅が咲く。クァンヤンは智異山と白雲山が冷たい北西風を遮り、「光」を意味する字の「光(クァン)」、「日当たり」を意味する「陽(ヤン)」という地名の通り日照量が豊富で、年平均気温は14〜15度前後と温暖である。ここに清らかなソムジンガン(蟾津江)の水まで加わり、クァンヤンは梅の木が育つ最適の場所として挙げられる。
◇梅が最も早く咲くクァンヤン
2〜3月に春の梅の香りに酔うクァンヤンでは、5〜6月になると梅の出荷期を迎える。全国の梅生産量の30%がクァンヤンから出る。
クァンヤン市によると、現在地域内の梅栽培農家は3359世帯。栽培面積は1200ヘクタール、生産量は5117トンに達する。梅栽培で農家が得る収益だけで144億ウォンを超える。開花期・収穫期の観光客流入効果まで重なり、梅はクァンヤン地域経済の中核の柱として定着している。
梅の開花時期が早いクァンヤンは、果実の「積算温度」(作物の生育に必要な熱量で、生育日数の平均気温を積算した値)が高い。他地域産よりクァンヤンの梅の糖度と酸度が高い理由である。
1970年代、農村に有用樹を植える事業を契機に、全羅南道クァンヤンと慶尚南道ハドンに梅の木が多く植えられた。その後1990年代にクァンヤン青梅農園のホン・サンリ代表が伝統食品名人に指定され、2007年にはクァンヤン梅が「地理的表示36号」に登録された。
梅は大きく青梅と黄梅に分かれる。品種が違うのではなく、収穫時期による色の違いで区分する。
5月末に収穫する梅は大半が緑色の青梅だ。青梅は果肉が硬く、漬け込みなどをすると歯切れのよい食感を保てる。6月中旬以降に出る梅は黄色く熟しており、黄梅と呼ぶ。黄梅は香りが濃く、梅酒や梅濃縮液を作るのに適している。
◇自然が生んだ解毒剤…消化促進から美肌まで
「味は酸っぱく毒はない。痰を散らし、嘔吐や口渇・赤痢などを止める。熱を下げ、酒毒を解く。」ホ・ジュンは『東医宝鑑』(朝鮮時代の医学書)で梅の特徴をこのように記した。
実際、クエン酸が豊富な梅は疲労回復と免疫力向上に役立つ。有機酸とカテキン酸が含まれており、食中毒予防にもよいとされる。腹痛や消化不良にも効果がある。体内の毒を取り除くため、美肌効果も優れている。
クァンヤン市は2012年、韓国食品研究院の研究委託を通じ、梅が抗糖尿、抗肥満、肝機能改善に効果がある点を明らかにし、関連論文を国際学術誌『フードケミストリー』に掲載した。その後、複数の研究機関の研究により、梅のインフルエンザウイルス抑制効果、血糖降下効果などが明らかになった。