今年は韓国の遠洋漁船団がスペイン・ラスパルマスに錨を下ろしてから60年となる年だ。1960年代、貧困と外貨不足に苦しむ韓国のため茫洋たる外洋へと向かった船員たちは、数十年にわたり兆単位の外貨を稼ぎ出した。しかし、ドイツに派遣された鉱夫・看護師と比べると、こうした献身は相対的に光が当たってこなかったとの評価が出ている。
14日(現地時間)駐スペイン韓国大使館によると、韓国遠洋漁船団のラスパルマス進出は1966年3月に始まった。韓国水産開発公社所属の「江華601号」が当地の港に初めて錨を下ろしたことによる。当時、韓国の国内総生産(GDP)は38億ドルにとどまるほど経済事情が厳しかった。
遥か彼方の海で流した船員たちの汗は韓国経済発展の礎となった。ラスパルマスは一時、韓国遠洋漁業の前進基地だった。最盛期には遠洋漁船210隻と韓国人1万5000人がこの地を行き来した。韓国の遠洋産業は1971年に輸出全体の5%を占めるまでに成長した。そうして20年間に稼いだ外貨は8億7000万ドル、現在の為替で約1兆3000億ウォンに達する。彼らが韓国に送ったドルが、パドク(ドイツ派遣)鉱夫と看護師より多かったという主張もある。
しかし、こうした功績は長らく母国で十分に記憶されてこなかった。劣悪な操業環境の中で生涯を終えた韓国の船員117人は、今もラスパルマスの船員墓域に眠っている。現地の在留韓国人社会とスペイン政府は毎年墓域を訪れ、彼らを追悼している。
昨年には船員たちの献身をたたえる大型彫刻も建立された。高さ6m、重さ2トンの青い造形物「グリーティングマン(Greeting Man・あいさつする人)」だ。ユ・ヨンホ作家が2012年から世界各地に設置してきた作品で、丁重に頭を下げてあいさつする姿を通じ、感謝と平和のメッセージを伝える。ユ作家は韓国遠洋漁業の船員たちの献身をたたえるため、この作品を寄贈した。除幕式にはフェリペ6世スペイン国王も祝賀メッセージを寄せた。
イム・スソク駐スペイン韓国大使は「今年は遠洋漁業を中心に在留韓国人がラスパルマスに進出してから60周年となる年だ」と述べ、「当時、ドイツ派遣の鉱夫・看護師とともに韓国の外貨獲得に大きく寄与したが、それに比べ十分に注目されなかったようで残念だ」と語った。
続けてイム・スソク大使は「遥か彼方で血と汗を流しながら漁で貧しい祖国の経済発展に寄与した皆さんは真の海の愛国者だ」とし、「過去60年を記憶し、より明るい未来の60年を築いていく」と付け加えた。