呉世勲(オ・セフン)ソウル市長が6・3地方選挙に本格的に臨むために職務停止となってから38日間のあいだにソーシャルメディア(SNS)に投稿したリールの累計再生回数が5400万回を超えたことが分かった。
同期間に呉市長と競った鄭元午・共に民主黨ソウル市長候補の再生回数と比べると18倍高い水準である。保守陣営が進歩陣営よりSNS活用に弱いという既存の認識を覆した結果だとの分析が出ている。
◇38日間の再生回数5400万回
14日、SNSと政界の情報を総合すると、呉市長陣営が選挙期間の4月27日から6月3日までにインスタグラムに投稿したコンテンツは合計190件だった。該当投稿の「いいね」合計は216万1896件、コメントは9万1918件だった。投稿当たりの平均「いいね」は1万1378件、コメントは484件だ。シェアは合計69万9424件で、投稿当たり平均3681回シェアされた。
呉市長陣営のインスタグラム投稿の再生回数は合計で5400万回を超えた。鄭候補側の再生回数が300万回水準にとどまったのと比べると約18倍の差だ。単に投稿数を増やしただけでなく、短尺動画とシェアに適した形式にコンテンツを再加工した戦略が再生回数の拡散につながったとの評価が出ている。
◇「2分を超えない」…討論会もショートフォームに再加工
呉市長陣営は選挙期間のすべての動画を2分未満で制作するという原則を定めた。候補の日程を時系列で並べる「記録型ポスティング」は最小化した。政治家のSNSでよく見られる現場訪問の写真や行事出席の記録よりも、有権者が実際に気にする政策とメッセージを前面に出す趣旨だった。
代表的な事例が討論会の動画である。陣営は2時間分量の討論会動画をそのまま上げる代わりに、若年層が短時間で理解できるよう争点別の核心場面だけを抽出し、ショートフォームに再加工した。不動産、雇用、交通、ケアのように相対的に重い政策イシューも、インスタグラム利用者が慣れている速度と形式に合わせて伝えた。
市民参加を活用した点も差別化要素として挙げられる。陣営は呉市長と一緒に写真を撮った市民や感謝の庭園、ハンガンバスなどを実際に利用した市民が投稿したコンテンツを、呉市長アカウントのストーリーズで共有した。候補が一方的にメッセージを伝える方式ではなく、市民が上げた日常を候補アカウントが再び拡散する構造を作ったということだ。
呉市長陣営は2030世代を単純な広報対象ではなく、コンテンツ拡散に参加する主体として設定した。画面の中で候補が青年に語りかける方式よりも、青年と候補が同じ空間にいる場面を反復的に見せることに焦点を当てたという説明である.
◇政党色を抑え、プラットフォームの文法に集中
政党色を最小化した点も特徴だ。呉市長のインスタグラムコンテンツでは、国民の力のロゴや候補の番号、赤色トーンの定型化されたカードニュースが相対的に目立たなかった。政党の象徴を前面に掲げた瞬間にコンテンツが陣営のメッセージとして分類され、陣営外の有権者には拡散しにくいという判断が反映されたとみられる。
これは、日程と現場写真、遊説の場面、李在明大統領との関係を強調した鄭候補側のSNS戦略とは違いを見せた。鄭候補側は与党候補として中央政府との協業可能性を際立たせたが、呉市長側はプラットフォーム利用者が短時間で消費し共有できる動画の文法に集中した。
政界では、過去は政治家のSNSが候補の日程を知らせ支持層を結集する手段に近かったとすれば、今回の選挙では短尺動画と市民参加型コンテンツが中道層と若年層にアプローチする道具として活用されたとの評価も出ている。
このような戦略は少数専任チーム中心の意思決定構造があったからこそ可能だったと陣営側は説明する。ソウル市庁時代から連携してきた人員がSNSコンテンツを総括し、現場で迅速に判断して制作・投稿できるよう自律性を付与したということだ。ショートフォームコンテンツは速度と一貫性が重要なだけに、複雑な決裁構造を減らしたことが効果を生んだとの評価だ。
呉市長陣営の関係者は「今回のインスタグラム再生回数は、保守がSNSで弱いという通念が陣営の問題ではなくコンテンツの文法の問題であったことを示す」と述べ、「若年層の時間を尊重し、若年層の言語で語ったことが効果を上げたとみる」と語った。続けて「少数専任チームに自律性を付与した単一の意思決定構造も迅速なショートフォーム対応を可能にした」とした。