現場体験学習に行った後、保護者からタクシー代の負担を求められたというある教師のエピソードがオンラインで話題になっている。生徒が寝坊して同じ班の友人と一緒に出発できなかったにもかかわらず、保護者が学校の責任を主張したと伝わり、論争が起きている。
9日、複数のオンラインコミュニティに、現場体験学習の後に保護者から抗議の電話を受けたという中学校教員A氏の投稿が掲載された。A氏は体験学習前に生徒が一緒に移動できるよう学級内で班を編成したと説明した。同じ班の生徒は、ある生徒の自宅近くで共に出発するため待っていたが、当該生徒が寝坊して合流できなかったと伝えられた。
A氏によると、保護者は中学2年の子どもが体験学習の場所まで一人で移動せざるを得なかったとして不満を示した。当該生徒はタクシーで地下鉄駅まで移動し、保護者はこのタクシー代を学校が負担すべきだという趣旨の主張をしたという。
保護者は、子どもが注意欠如・多動性障害(ADHD)を抱えているにもかかわらず、担任教員がこれを十分に考慮しなかったという趣旨の民願(民衆の請願、苦情)も提起したと伝えられた。ADHDは注意集中の困難や衝動性、多動などが現れることがある発達特性である。A氏は投稿で「中学2年なのに地下鉄の乗り方まで教育しなければならないのか」という趣旨でもどかしさを訴えた。
エピソードが拡散すると、オンラインでは教師の訴えに共感する反応が相次いだ。一部のネットユーザーは、生徒が寝坊した状況まで学校の責任に転嫁するのは行き過ぎだと指摘した。教権保護の仕組みが必要だという意見も出た。
ただし、反対意見もあった。一部のネットユーザーは、具体的な事情をすべて把握できない状況で保護者と生徒をオンラインで公に批判するのは適切でないとした。教師と保護者の対立がオンラインでの暴露手法によって拡大することへの懸念も提起された。
法曹界では、この種の事案で学校や教員の賠償責任が認められるのは難しいとの解釈が出ている。教員の保護・監督義務は、学校教育活動やこれと密接な生活関係において通常予見可能な事故を防ぐ範囲に限られるためである。生徒が自宅で寝坊して班ごとの移動に合流できなかった事情まで、教員が予見・防止すべき義務があるとは言い難いということだ。