サムスン電子とSKハイニックスの社員が数億ウォン台の成果給を受け取る見通しだとして、オンラインを中心に関連の「ジラシ(根拠不明の流言)」が拡散している。確認の結果、一部の内容は事実と大きく異なり、一部は制度変更と相まって可能であると把握された。

京畿道利川のSKハイニックス本社の様子。/News1

◇「SKハイニックスの成果給で離婚が急増」?…事実ではない

最近、オンラインコミュニティやメッセンジャーなどでは「SKハイニックスの社員が大規模な成果給を前に離婚に踏み切り、イチョン管轄の裁判所での離婚受理件数が以前より800%急増した」という趣旨の投稿が広がった。だが、これは事実と異なった。

イチョン市を管轄する水原地方法院ヨジュ支院の家事事件受理状況を見ると、今年4月までに受理された家事訴訟の一審事件は135件だった。前年同期の92件より増えたが、2024年同期の128件と比べると大差はなかった。

家事調停事件も今年4月までで38件と、前年同期と同じだった。「成果給を前に離婚が急増した」とみなす統計的根拠は確認されなかったことになる。

SKハイニックスの内部ではむしろ所得増で家族計画を見直すことになったとの反応も出ている。SKハイニックスの社員A氏は「最近、妻が妊娠した」とし「所得が増え、自然と子どもをさらにもうけることで意思が一致した」と語った。

オンラインコミュニティのキャプチャー

◇「SKハイニックス社員の3年総報酬82億ウォン」?…現実性が低い

SKハイニックスの社員が年俸8000万ウォンを基準に、今後3年間で総額82億ウォンを受け取れるという内容もオンラインで共有された。今年2億ウォン、2027年に27億ウォン、2028年に35億ウォンを受け取るという主張だ。だが、実際の成果給の構造を踏まえると現実との乖離が大きい。

SKハイニックスの成果給制度は大きく二つだ。年間営業利益の10%を原資として上限なく支給する超過利益分配金(PS)と、基本給の最大300%を支給する生産性奨励金(PI)である。年俸8000万ウォンを基準にするとPIは約1200万ウォン水準だ。結局、高額成果給になるかはPSの規模にかかっている。

今年の総報酬が2億ウォンになるには、年俸とPIなどを除いても社員1人当たり約1億9080万ウォンのPSが支給されねばならない。SKハイニックスの社員数を約3万5000人として単純計算すると、PSの原資だけで6兆6780億ウォンが必要だ。これは会社が年間営業利益66兆7800億ウォンを上げて初めて可能な規模だ。現在の証券街による今年のSKハイニックス営業利益見通しと比べても達成可能性は低い。

チェ・スンホ、サムスングループ超企業労働組合サムスン電子支部委員長。/News1

◇「サムスンのキャンパス施設管理職も成果給5億ウォン」?…所属によっては可能

一方、サムスン電子の事業所で「アヒルに餌をやる社員」でも5億ウォンの成果給を受け取るという趣旨の投稿は、一部が事実に合致することが確認された。該当社員が半導体部門のDS部門内メモリー事業部所属の施設管理職であれば、特別成果給の対象に含まれる可能性がある。

サムスン電子の労使間の賃金交渉合意により、DS部門には事業成果の10.5%を原資とする特別成果給制度が新設された。このうちメモリー事業部の社員は、1人当たり平均5億〜6億ウォンの特別成果給を受け取れると試算される。

ただしサムスン電子の内部でも所属事業部によって成果給の格差が大きい。DS部門内のシステムLSIとファウンドリー事業部は赤字が続き、社員1人当たりの特別成果給は1億6000万ウォン前後にとどまる見通しだ。

家電とモバイル事業を担うDX部門は特別成果給の対象ではなく、600万ウォン相当の自社株が支給される予定だ。このためサムスン電子の内部では事業部別の成果給格差をめぐる論争も続いている。

全国化学繊維食品産業労働組合カカオ支会(クルーユニオン)の組合員が20日、京畿道城南市の板橋駅広場で開かれた決起大会でスローガンを叫んでいる。/News1

◇AIの偽画像まで拡散…成果給がオンラインのミームに

成果給に関する偽画像も拡散している。マンション団地の入口に「サムスン電子・SKハイニックス社員の入居を歓迎します」と書かれた横断幕が掲げられた写真や、小学校の賞状に「未来のSKハイニックス人材像」と記された写真などは、生成AIで作られた偽画像であることが確認された。

サムスン電子とSKハイニックスの社員が大規模な成果給を受け取るという事実が知られ、関連内容が一つの「ミーム(Meme)」として広がったとみられる。実際の成果給規模への関心が高まる中、これを誇張または風刺したコンテンツがオンラインで急速に再生産されている。

問題は、成果給の論争が一部企業の内部イシューを越え、産業界全体の対立要因へと広がっている点だ。特に営業利益の一定比率を社員の成果給として支給しようという、いわゆる「N%成果給」要求が拡散し、企業と労働者の間で利益配分をめぐる綱引きが続いている。

政府も関連議論に加勢した。金英勲雇用労働部長官が大企業の超過利益の社会的分配の必要性に言及したのに続き、青瓦台も「討論会を通じて多様な世論化の機会があればよい」と明らかにした。半導体好況がもたらした成果給論争は、当面は産業界と労働界の主要争点として続く見通しだ。

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