映画「王と生きる男」が未放送ドラマのシナリオとの類似性を巡り、上映禁止の仮処分訴訟に巻き込まれた。法廷では、歴史的事実を土台にした作品の表現手法がどこまで著作権保護の対象となり得るかを巡って、双方が正面から争った。
ソウル西部地裁第21民事部(裁判長シン・ミョンヒ)は19日、未放送ドラマ「オム・フンド」のシナリオを執筆した故A氏の遺族が、映画「王と生きる男」の共同製作会社オンダワークスとBAエンターテインメント、配給会社SHOWBOXなどを相手取り申し立てた上映禁止仮処分事件の初回審問期日を開いた。
この日の法廷では、両作品の核心となる物語構造と具体的設定を巡る攻防が続いた。
製作会社側は「両作品の間に実質的な類似性は存在しない」として、仮処分申請の前提となる法的権利自体が成立しないと主張した。
とりわけ遺族側が盗作の根拠として示した端宗の廃位、オム・フンドの遺体収拾などは「歴史的事実そのものにすぎない」とし、「これを劇化する過程で必然的に登場する典型的な場面は著作権保護の対象にはなり得ない」と反論した。
また「遺族側のシナリオはオム・フンドの忠節と殉節に重心を置く一方、映画は登場人物間の関係設定や葛藤の展開、結末に至る構造が本質的に異なる」と主張した。先立って共同製作会社オンダワークスは3月にも「他の著作物を盗作した事実は全くない」として法的対応方針を明らかにした経緯がある。
一方で遺族側は、故人が2000年代初頭に放送局などへ投稿したシナリオの独創的な脚色要素が、映画にそのまま反映されたと主張した。
遺族側が示した争点は計7点だ。流刑となった端宗が食事を拒み、特定の食べ物を口にして心を開く設定、オム・フンドが端宗の反応を村人に代わって伝える展開、崖から身を投げようとする端宗をオム・フンドが制止する場面などが代表的だ。さらに、オム・フンドの子どもを一人息子に集約したり、複数の宮女を単一の人物に再構成した設定なども類似点に挙げた。
遺族側は「大企業の製作会社を相手に無理な訴訟を仕掛けようとするものではない」とし、「創作の価値を認めてもらうため、作品に原作者の名前を明記してほしい」と要求した。
裁判部は「素材や主題そのものが著作権法の保護対象にならないという点はその通りだ」としつつも、「遺族側が侵害を主張した7つの創作的要素について、製作会社側がこれを反駁できる具体的な疎明資料を提出せよ」と双方に求めた。