「国際消防安全博覧会2026」が開かれた20日のテグ・エクスコ(EXCO)。中国ロボット企業ユニトリー(Unitree Robotics)のヒューマノイドロボットの前に来場者が殺到した。消防隊員の装備をしたヒューマノイドが音楽に合わせて踊ると、あちこちで感嘆の声が上がった。消防庁の関係者は「次第にロボットの動きが滑らかになっている」とし、「災害現場でヒューマノイドが活躍する日も遠くないようだ」と述べた。
会場の一角では、探知犬と救助犬として活躍中の黒いラブラドールレトリバー2頭が四足歩行ロボット、いわゆる「ロボット犬」と対面した。ロボット犬は誇示するように逆立ちをし、宙返りをした。来場者は携帯電話を取り出し、この場面を撮影した。
◇電気自動車火災・山火事まで…民間企業の消防ロボットが多数出品
今年の博覧会の主役は断然ロボットだった。博覧会場の見どころは単なる妙技にとどまらなかった。爆発の危険があったり有毒ガスが漏れる現場のように、消防隊員の接近が難しい場所に代わって投入される消防ロボットと人工知能(AI)ベースの装備が展示場の随所に配置された。
国際消防安全博覧会は韓国最大の消防産業博覧会である。2003年のテグ地下鉄惨事の翌年から、韓国の消防産業の育成と発展のため毎年開かれている。今年は過去最多の448社の消防関連企業が参加した。
民間企業は実際の火災現場投入を念頭に置いた消防ロボットを多数披露した。TXR Roboticsは今回の博覧会に消火ロボット、電気自動車火災対応ロボット、山火事防災ロボットなど消防ロボット5種を出品した。
同社の関係者は「電気自動車火災対応ロボットは自律走行機能を備え、サーマルカメラも搭載しており、視界の確保が難しい状況でも運用できる」とし、「40㎏容量の消火粉末やフォームを積載し、電気自動車火災が周辺に延焼するのを防ぐ役割を果たせるだろう」と語った。
現代ロテムの無人消防ロボットも展示場に姿を現した。このロボットは多目的無人車両「HR-シェルパ(HR-Sherpa)」を基盤に製作された。現在、中央119救助本部などに4台が配備されている。今年1月のチュンブク・ウムソン工場火災現場を皮切りに、3月にはウィジョンブとテジョンの火災現場にも出動した。消防庁は今後2年間で無人消防ロボット18台を追加導入する計画だ。
◇政府も300億ウォン投入…海外バイヤーも関心
政府主導の消防ロボット開発も加速している。消防庁は行政安全部、科学技術情報通信部などとともに新たな消防製品・装備の研究開発(R&D)を進めている。代表的には300億ウォンを投入し、韓国ロボット融合研究院主導で四足歩行ロボットとトラック(無限軌道)基盤の火災鎮圧用ロボットなどを開発中である。
人命探知用四足歩行ロボットはRainbow Roboticsのロボット本体にロボットアームを取り付けた形態だった。このロボットは災害現場の捜索はもちろん、直接ドアを開けて進入したり、ガスが漏れる状況でバルブを閉める作業もできるという。残り火を消せる火災鎮圧用四足歩行ロボットも併せて展示された。
ロボット以外にも、現場対応力を高めるための多様な技術が紹介された。韓国生産技術研究院はドローンで消火弾を投下して火を消す技術を披露した。アングクエンジニアリングは大容量エネルギー貯蔵装置(ESS)の温度変化を感知し、熱暴走が発生する前に消火薬剤を投入する装備を展示した。延世医療院産学協力団は救急隊員と患者の会話内容を基に応急処置を案内し、搬送に適した病院を選定するAI技術を紹介した。
消防隊員の業務負担を軽減する装備も注目された。ウォンオートテックは消防ホースの洗浄・乾燥・巻き取りを一括処理する装備を披露した。30分かかった作業を5分に短縮するという説明だ。エスタップは空気呼吸器に装着して使う緊急脱出装備を公開した。
消防庁は、革新的な消防装備と製品が今後の輸出のけん引役としても作用すると期待している。この日、博覧会を視察した外国政府関係者やバイヤーも、消防ロボットとAI基盤の消防システムに関心を示した。
アジズベク・イクラモフ(Azizbek Ikramov)ウズベキスタン非常事態部長官は「就任後初の海外出張で韓国を訪れた」とし、「消防ロボットとAIを融合した技術がとりわけ目を引いた。両国間の協力がより活発になることを期待する」と述べた。