国家人権委員会(人権委)は、保護義務者の資格要件に該当しない家族2人が提出した書類だけを確認したまま精神病院に強制入院措置をしたことは人権侵害に当たると判断した。
21日人権委によると、被害者A氏は妻と息子など家族と不和があるという理由で今年1月、ある精神病院に保護入院となった。A氏の妹は、不適格な保護義務者の同意によって強制入院されたとして人権委に陳情を提起した。
当該病院の病院長は、担当主治医と別の病院の精神科専門医の二次診断の結果、入院治療の必要性が一致しており、入院手続きを違反したり被害者を不当に強制入院させた事実はないと主張した。
しかし人権委障害人差別是正委員会は、人権侵害に該当すると判断した。精神健康福祉法は、当事者の申請がない入院が濫用されるのを防ぐため、入院要件と手続きを厳格に規定しているというのが人権委の説明だ。
精神健康福祉法第43条1項は「精神医療機関等の長は、精神疾患者の保護義務者2人以上が申請した場合であって、精神健康医学科専門医が入院等が必要であると診断した場合にのみ、当該精神疾患者を入院等させることができる」と規定する。また同法第39条1項3号には「当該精神疾患者を相手取った訴訟が継続中の者または訴訟した事実があった者とその配偶者」は保護義務者になれないと明示されている。
人権委の調査結果、A氏と妻は現在離婚訴訟中であった。A氏の息子はA氏に対する尊属暴行を理由に裁判所の接近禁止命令処分を受け、当該事件が検察に送致されたことが把握された。A氏の妻と息子はいずれも保護義務者になれない状況だった。
しかし当該病院の院長は、このような要件を十分に確認しないままA氏を入院措置したと人権委は判断した。人権委は「精神健康福祉法第43条に違反したものであり、憲法が保障する身体の自由を侵害した」と述べた。
人権委は、A氏に対する退院審査措置を行い、病院職員全体に対して精神健康福祉法に規定された入院要件に関する職務教育を実施するよう勧告した。