京畿道クァチョンのあるアパート団地に、国内ゲーム会社Pearl Abyssを応援する横断幕が掲げられるという異例の場面が演出された。これは同社が最近打ち出した新作『紅の砂漠』の興行を祈願するためである。横断幕はPearl Abyss社屋を背景に設置された。社屋の外壁には『紅の砂漠』の発売日を知らせるプロモーション素材も掲げられている。
通例、学校近隣の住宅地ではゲーム会社に対する視線が否定的な場合が多い。ゲームを子どもの学業を妨げる要素とみなす認識のためである。実際、Pearl Abyssの社屋と向かい合うこのアパート団地のすぐ前には、小学校と中学校を統合した学校が位置している.
Pearl Abyssはコーヒー一杯でこの固定観念を打ち破った。3月27日、社屋近隣のカフェ6店で住民らを対象に店舗当たり300杯、計1800杯のコーヒーを無料提供したのである。対象カフェを訪れて「Pearl Abyssおめでとう」と声をかければ無料コーヒーを渡す方式だ。無料提供を始めた当日に1800杯のコーヒーがすべてはけたという。
近隣住民はこれに報いる動きを見せた。自発的にアパート団地にPearl Abyssを応援する横断幕を掲げることにしたのである。住民が掲げた横断幕には「Pearl Abyss 紅の砂漠 ぐんぐん羽ばたき世界のゲームの中へ!!」「300万人の選択、やはりPearl Abyss」などの文言が記されている。
オンライン上でも反応が続いた。娘からコーヒーの贈り物を受け取ったというある親は「娘が下校途中にコーヒーを持ってきたので、小遣いもないはずなのにと感謝したところ、Pearl Abyssがイベントをしたと言った」とし「意義深い行事だ」との投稿を上げた。ゲームコミュニティでも無料コーヒーを飲んだという書き込みがいくつも掲載された。
このような企業と住民の間の信頼は、一朝一夕に積み上がったものではない。Pearl Abyssは週末ごとに社屋内の多目的室を地域住民に開放している。住民はここで週末の午前6時から午後1時までバスケットボール、卓球、バドミントンなどを楽しめる。また毎週土曜日の午前9時から12時まではガルヒョンドン文化教育センター(韓国の地域文化施設)のプログラム会場として活用されている。
住民の応援の後押しがあったのだろうか。『紅の砂漠』は発売後、迅速なペースで販売本数を伸ばしている。3月20日の発売から4日で300万枚を突破したのに続き、12日で400万枚を記録した。証券街では来年の販売本数が1200万枚を上回るとの見通しも出ている。
このような興行を背景に、Pearl Abyss社屋周辺の雰囲気も再び活気づいている。もう一度サプライズ企画が実施されるかもしれないとの期待感からだ。Pearl Abyss側は「現時点では別途の計画はない」としつつも「ゲーム会社が地域の隣人として受け入れられた事例という点が肯定的に評価される」と述べた。