航空機内で心停止により昏睡状態に陥った乗客が、間一髪で命を取り留めた経緯が明らかになった。ちょうど海外学会に出席するために搭乗していた医師らが応急処置に加わったおかげだ。
2日キム・ジョンファン江南乙支病院教授のフェイスブックによれば、先月24日午前、インチョンからフィリピンのマニラに向かっていた航空機で乗客が突然倒れる事故が発生した。当該便にはフィリピンで開かれる世界家庭医学会アジア太平洋地域学術大会に出席するため、家庭医学科の医師7〜8人が乗っていた。
離陸後まもなく機内に「ドクターコール」のアナウンスが流れた。ドクターコールは機内の乗客の中から医師を探す放送である。
キム教授は「ドクターコールが鳴り、患者の方へ行ってみると、顔色が蒼白な外国人の中年女性がトイレのドアの前に倒れていた」とし、「客室乗務員がその女性を取り囲み、どうしてよいかわからない様子だった」と当時の状況を説明した。
同じ便に乗っていたキム・チョルミンソウル聖母病院家庭医学科教授が、直ちに患者の気道を確保するため挿管を試みたが、うまくいかなかった。患者の舌が巻き込み、プラスチック喉頭鏡では挿管が難しい状況だったためだ。幸い機内に喉頭マスクが備えられており、挿管せずに応急処置を行うことができた。
キム教授は「呼吸が弱まっていくのを感じ、アンブバッグ(手動人工呼吸器)で人工呼吸を始めたが、血圧が下がり心停止につながりかねないという恐れがあった」とし、「しかし機内で患者にできることは限られていた」と述べた。
続けて「脳梗塞が疑われるが、正確な診断は難しかった」と付け加えた。
幸い患者の状態は時間の経過とともに改善していった。アンブバッグに頼らざるを得なかった呼吸が自発的に可能となり、正常な呼吸と血圧が回復した。キム教授は「患者の意識も戻り始め、質問に反応できるようになった」と述べた。
3時間30分に及ぶ残りの飛行時間の間、医師らは患者を共に見守り、無事にフィリピンに到着することができた。彼らはマニラ空港に到着後、現地の医療スタッフに患者を引き渡すことができた。
キム教授は「機内でこれほど重篤な患者に遭遇するのは稀だ」とし、「患者が今後健康を回復し、健やかに過ごすことを願う」と述べた。