会社員のキム・スジン(30)さんは5月に念願だったイタリア・ローマ旅行を準備している。ホテルと航空券はいずれも早々に予約を終えた。しかし中東情勢の悪化で不安が高まっている。予約内容に「払い戻し不可オプション」が付いているためだ。キムさんは「少しでも安く行こうと早めにチケットを取ったのに、お金を無駄にするのではと心配だ」と語った。
5月のこどもの日・仏誕節(釈迦の誕生日)など「大型連休」を前に、航空券を先に買っておこうとする動きが出ている。原油高とウォン安で一日でも早く買ったほうが安いという理由からだ。しかし中東情勢の余波で欠航の可能性もあり、旅行客の悩みが深まっている。
◇原油高で燃油サーチャージが4月から3倍
31日、旅行業界によると、来月1日の燃油サーチャージ引き上げ前に航空券を確保しようとする動きが見られる。NAVERショッピングは、航空会社の燃油サーチャージ引き上げ計画の発表後、16日から30日までの予約数が直前2週間(3月1日〜15日)より37%増えたと明らかにした。
ハナツアーは5月の全体パッケージ旅行の予約率が前年同期比で15%上昇した。モドゥツアーとYellow Balloon Tourの予約率も同期間にそれぞれ30%ずつ伸びた。
通常、燃油サーチャージはシンガポールのジェット燃料(MOPS)現物市況を基準に決まる。中東情勢悪化後に原油価格が上昇し、燃油サーチャージも大幅な引き上げを控えている。大韓航空の仁川〜米国ニューヨーク路線の燃油サーチャージは今月の9万9000ウォンから来月は30万3000ウォンへと3倍超に上がる。
ある旅行会社関係者は「事前予約の顧客には先発券を勧めている」と述べ、「燃油サーチャージは搭乗日ではなく発券日を基準に適用されるためだ」と語った。
急騰する為替も予約を急がせる要因だ。米ドルに対するウォン(ウォン・ドル相場)はこの日、ソウル外国為替市場で場中に1530ウォン台を上回った。世界金融危機以降、17年ぶりの高水準である。
例えば米国ユナイテッド航空の仁川〜米国サンフランシスコ路線のチケットは来月4日基準で1098ドルだ。現在のウォン・ドル相場(1533ウォン)を基準にすると168万ウォンで、1カ月前と比べると8万ウォン以上高い。
◇航空各社が相次ぎ運航取りやめ・減便
問題は航空券が取り消される可能性も高まっている点だ。中東地域の領空開放の可否が不確実なうえ、最近はジェット燃料の需給にも支障が出ているためである。
ベトジェットエアは来月、仁川〜ベトナムのナトラン・ダナン・フーコック路線と、釜山〜ナトラン路線の一部便の運航を中止することにした。ベトナム航空も4〜5月、仁川〜ベトナムのハノイ・ホーチミン路線の一部を運航しない。
ベトジェットエアのホームページには「戦争の長期化で油価が上がり、原価負担に耐えがたい」とし、「ベトナム国内のジェット燃料供給も円滑でなく、やむを得ず運航を取り消すことになった」と告知した。
国内航空会社もジェット燃料価格の負担から減便に踏み切った。アシアナ航空は来月から5月まで、仁川〜カンボジア・プノンペン、仁川〜中国の長春・ハルビン・延吉など計4路線の運航便数を14回減らすと決定した。アシアナ航空は、該当路線をすでに決済した顧客に対し、近接日の便に振り替えるよう案内する予定だと伝えられている。
イースター航空は5月から仁川〜フーコック路線を運航せず、仁川〜ダナン路線は3便減便する計画だ。エアプレミアは23日から米国路線とバンコク路線の運航スケジュールを調整している。イースター航空とエアプレミアはいずれも、旅行日程を無料で変更するか、手数料なしで全額払い戻しに応じることにした。
国際原油価格が上昇基調を続けており、運航取りやめや減便措置がさらに増える可能性があるとの見方も出ている。旅行関連のオンラインコミュニティには「(欠航の可能性に)東南アジア路線も安心できず日本に行こうと思う」「為替が高すぎるので、5月の連休はむしろ国内にいようと思う」といった書き込みが上がった。
ある国内旅行会社の関係者は「長期化すれば航空便が大規模に取り消される可能性があり懸念している」とし、「航空座席を基盤にパッケージ商品が作られる構造のため、逆風になる」と述べた。