70人を超える死傷者を出したテジョン・テドク区の自動車製造工場、安全工業の火災が拡大した要因の一つとして切削油が挙げられた。切削油は金属を加工する際に使う潤滑油で引火点が低く、火花や高温にさらされると着火しやすい。
テジョン・テドク消防署は21日のブリーフィングで「工場内の加工工程で切削油を相当量使用しており、切削油をはじめ天井などにこびりついた油汚れが多く付着している状態だった」とし、「油汚れだけでなく集じん設備や配管などにたまっていたスラッジ(沈殿物)を伝って火が瞬く間に燃え広がったとみている」と説明した。
また、死亡者9人が発見された「休憩空間」は、図面にない2階の複層空間であることが確認された。地上から3階駐車場に上がるランプと3階の間に相当な天井高の余剰空間を、複層のように任意に造成して使用していたとみられるというのがテドク区の説明だ。
当初はジムと伝えられたが、平素は更衣室や従業員が寝る場所だったとされる。2つの層に分けて使い、窓も片側にしかなかった。こうした構造が脱出を難しくしたとの分析もある。
ナム・ドゥグテドク消防署長は「前面のガラス窓が塞がれており、脱出は容易ではなかっただろうという推測はある」としつつも、「人的被害が大きかった原因だと断定するのは難しい」と述べた。
テドク区によると、安全工業の工場は延べ面積1万9,730㎡規模だ。1996年1月の竣工以降、2010年、2011年、2014年に相次いで増築した。
安全工業の工場では前日午後1時17分ごろ火災が発生した。火の手は消火に着手してから10時間余り経ってようやく収まった。この火災で11人が死亡し、3人が行方不明だ。消火中に負傷した消防隊員を含め、負傷者は59人である。
消防当局は、行方不明者3人が崩壊した東館駐車場の裏手部分に残っているとみて、重機を投入して捜索に乗り出す計画だ。