10月17日から21日まで(現地時間)にドイツ・ベルリンで開催された欧州臨床腫瘍学会年次学術大会(ESMO 2025)の会場風景。/ESMO

韓国の製薬・バイオ企業が次世代のがん治療技術を欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で紹介する。欧州臨床腫瘍学会は米国臨床腫瘍学会、米国癌学会と並ぶ世界3大がん学会とされる。スペイン・マドリードで10月23〜27日(現地時間)に開催される。

企業関係者と研究者は学会で抗がん剤開発の潮流をうかがうことができる。海外製薬企業に存在感を示し、技術輸出の協議に発展する場となることもある。今年はがん細胞を精密にたたく抗体(抗體)薬物複合体(ADC)と二重抗体に関する技術が公開される予定である。

◇副作用を抑えがん細胞を精密にたたく…がん治療のゲームチェンジャー

LigaChem Biosciences(141080)サイエンスは抗体薬物複合体の候補物質(LCB02A)について発表する。抗体薬物複合体は抗体に薬物を結合させ、がん細胞を精密にたたくものである。抗体はがん細胞を探し当てる道しるべの役割を果たす。がん細胞にのみ結合して薬物を放出するため、正常細胞に及ぼす副作用を抑え、効果を最大化する。

LigaChem Biosciencesサイエンスは非臨床から臨床入りまでの過程を説明する計画である。候補物質はクラウディン18.2というタンパク質を標的とする。このタンパク質は胃がん、膵がんなどのがん細胞表面で過度に発現する。これを手がかりに抗体が到達し薬物を放出できるよう設計した。

会社は非臨床段階で効果を確認した後、がん患者191人を対象に第1相臨床試験を進める。クラウディン18.2を標的とする抗体薬物複合体は、まだ市中で商用化されたものがないと会社は説明した。パク・セジンLigaChem Biosciencesサイエンス代表は「米国ハーバード医科大学付属ダナ・ファーバーがん研究所などで最初の臨床を進める」と述べ、「公信力を確保する」と明らかにした。

イラスト=ChatGPT ダリ3

◇がん細胞を捉え免疫を強化する一石二鳥

ABL Bio(298380)は、がん細胞と免疫細胞を同時に狙う二重抗体技術を学会で公開する予定である。二重抗体は抗体2個をつなぎ合わせたものだ。単一抗体より治療効果は高いが、構造が複雑で開発が難しく時間がかかる。

会社は二重抗体免疫抗がん剤の候補物質ジバストミグ、ラジストミグの第1相臨床の内容を学会で共有する。ジバストミグはがん細胞表面にあるクラウディン18.2と、免疫細胞を活性化するタンパク質である4-1BBに作用する。平たく言えば、一方の腕でがん細胞をつかみ、もう一方の腕で免疫細胞を起こしてがん細胞を攻撃する方式である。米国食品医薬品局(FDA)で優先審査対象(ファストトラック)に指定され、第2相を省略し第4四半期に第3相臨床に入る。

ラジストミグは、がん細胞が攻撃を回避するようにするPD-L1と4-1BBを同時に狙う。がん細胞は免疫細胞を避けるためPD-L1という信号を送る。免疫細胞はこの信号を攻撃するなという意味として受け取る。候補物質は信号を遮断し、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるよう閂を外す原理だ。ジバストミグ、ラジストミグはいずれもABL Bioと米国バイオ企業ノバブリッジ・バイオサイエンシズが共同で開発している。

◇米国での承認失敗後も開発継続…HLB、肝がん・胆管がん研究を公開

HLB(028300)は米国子会社エレバ・セラピューティクスが肝がんと胆管がん治療薬研究を公開する。会社は肝がん治療薬の候補物質リボセラニブとカムレリズマブを併用する方式で第3相臨床試験を進めた。この資料を基に、初期の抗生剤使用が患者治療に及ぼす影響を評価した。

カムレリズマブは中国・恒瑞医薬の抗がん剤である。先にHLBはリボセラニブとカムレリズマブの併用療法で米国食品医薬品局(FDA)に承認を申請したが、3度失敗した。

HLBはリボセラニブを転移性胸腺上皮腫瘍の患者に投与した第2相臨床の結果も口頭発表する。これは肺と胸骨の間にある胸腺に生じる希少腫瘍である。そのほか、胆管がん治療薬として開発中のリラフグラチニブ第1・2相の解析結果も発表する。キム・ドンゴン、エレバ・セラピューティクス代表は「治療の現場で活用できる根拠を確保する」と述べた。

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