一部の半導体は空気に触れた瞬間に表面が酸化し、性能が急激に低下する。韓国の研究チームがこの問題を抑える新たな表面処理技術を開発し、スズ系ペロブスカイトトランジスターの性能と安定性を同時に高めた。
ノ・ヨンヨンPOSTECH化学工学科教授の研究チームは、ソンギュンガン大学、中国電子科技大学の研究チームとともに、空気に弱いスズ系ペロブスカイト半導体の限界を解決する方法を見いだしたと2日に明らかにした。研究結果は同日、国際学術誌「ネイチャー」に発表された。
トランジスターは電気信号をオン・オフする小さなスイッチである。スズ系ペロブスカイトは電荷がよく移動し次世代半導体材料として注目されてきたが、表面のスズイオンが空気と反応して欠陥を生み、性能が低下する問題があった。
研究チームはセシウム—スズ—ヨウ素半導体の表面に酢酸カリウムを処理する手法を開発した。すると、性能低下を招いていたスズイオンが揮発性物質に変わって消失し、その跡にヨウ化カリウムの保護層が形成された。
その結果、従来素子が空気中で数分で性能が低下したのとは対照的に、新素子は4時間以上安定して動作した。素子をオンにするのに必要なしきい値電圧は下がり、100度の条件でも1カ月を超えて初期性能を維持した。
ノ・ヨンヨン教授は「今後、人工知能(AI)演算用垂直積層型DRAMメモリー素子、次世代ディスプレー駆動回路をはじめ、ウェアラブル機器、高集積半導体素子など幅広い将来の電子産業分野の中核技術として用いられるだろう」と述べた。
参考資料
Nature(2026)、DOI: https://doi.org/10.1038/s41586-026-10714-1
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