保健福祉部が30日、国家健康検診委員会の審議を経て「第4次国家健康検診総合計画(2026〜2030)」を確定した。
年間約2兆6000億ウォン規模に拡大した国家健康検診をエビデンス中心の体制へ再編するのが骨子だ。医学的・科学的根拠が不足する検診項目は定期的に再評価して除外し、学生健康検診は国民健康保険公団に移管して乳幼児から高齢まで健康データを連携する。人工知能(AI)はリスク予測から画像読影、事後の健康コーチングまで検診の全過程に段階的に適用する。
キム・ハンスク福祉部健康政策局長は事前説明会で「健康検診基本法の制定以後、約20年ぶりに健康検診財政が5倍近く増加した」と述べ、「一度検診項目に含まれると外れにくい構造を改善し、民願に応じて項目が追加されるのではなく、根拠に基づいて入れ替えできるガバナンスを整えることが今回計画の核心だ」と語った。
肝要なのは実行だ。検診項目を常時再評価する専任組織はまだなく、AI読影の責任構造や財政投入規模も定まっていない。国家検診体制を全面改編するという計画が実際の制度に結び付くかどうかは、後続の制度設計にかかっているとの評価が出ている。
◇基準未達なら退出…検診項目のリストラに始動
まず国家検診項目に「退出基準」が設けられる。
今後は「重要な健康問題」の基準から満たす必要がある。有病率5%以上、死亡率10万人当たり10人以上、または疾病負担(DALY)1〜35位のいずれかを満たさなければ、その後の妥当性評価も進めない。
これにより政府は現行の検診項目を▲全国民必須項目▲高リスク群向けカスタム項目▲新規導入予備項目▲根拠・効果不足による除外項目の四つに分けて管理することにした。検診項目の妥当性評価および調整率も2025年の10%から2030年には40%まで引き上げる目標だ。
評価体制も変わる。これまで外部研究委託に任せていた検診項目の評価は、国民健康保険公団研究院内の専任組織が担う案が進められる。政府は外部委託だけでは持続的な再評価体制の運用が難しいと判断した。
問題は実行組織だ。規模や運営方式はもちろん、発足時点も未定だ。チョン・ウンジョン福祉部健康増進課長は関連するChosunBizの問い合わせに「専任研究組織の構成が遅れれば、1年に1項目程度しか再評価を進められない可能性がある」と答えた。
◇学生検診も公団へ…個人情報管理網が試される
学生健康検診も健保公団の体制に入る。2027年3月からは校長が指定した機関ではなく、一般の健康検診と同様に希望する時期と機関で検診を受けられる。
政府が狙うのは学生検診そのものよりデータ統合だ。これまで学校が別途管理してきた学生検診情報が公団に移管されれば、乳幼児・学生・成人・老年期の健康情報を一つの体制で連携できるようになる。福祉部はこれを「生涯全周期健康検診総合コホート」として構築し、疾患リスク予測と政策設計に活用する計画だ。
データが一箇所に集まるほど管理責任も重くなる。これを守る装置も併せて整えるべきだとの指摘が出る理由である。
健保公団ではここ数年、個人情報保護違反の事例が繰り返されてきた。しかし現行の個人情報保護法は、1000人未満の個人情報流出の場合、個人情報保護委員会への申告や外部告知義務を課しておらず、相当数が外部に知られないまま処理されてきた。
◇検診全過程にAI導入…誤診の責任帰属は保留
AIは国家検診の全過程に導入される。
検診前には健康情報と医療利用データを分析して肺がんなどの疾患発生リスクを予測し、検診過程ではAI画像読影補助システムを活用する。検診後には生成型AIに基づく健康コーチングと結果説明機能を「健康保険25時」アプリに適用する計画だ。
政府の構想はここから一歩踏み込む。キム・ハンスク局長は「スクリーニング目的の健康検診結果を放射線科専門医なしでAIが読影できるかどうかも検討している」と述べ、「今後5年以内に診断領域でも大きな変化があるだろう」と語った。
ただし具体的な実行方案は定まっていない。導入日程と投資規模はもちろん、誤診発生時の責任構造も用意されていない。チョン・ウンジョン課長は「技術評価を通過したAIプログラムを中心に導入を検討する」と述べ、「正確性が十分に検証された後に適用の可否を決定する」と語った。
医療AIの信頼性をめぐる論争は続いている。米国マウントサイナイ・アイカーン医科大学の研究チームは年初、国際学術誌「ランセット・デジタルヘルス」に、医療AIが検証されていない情報でも医学用語で包装されると事実のように受け止める傾向を確認したと発表した。英国オックスフォード大学の共同研究チームも「ネイチャー・メディシン」に、主要な大規模言語モデルの正確な診断率が34.5%にとどまったと明らかにした。
◇民間検診を迂回規制…事後管理の点数連動は一蹴
検診後の事後管理も見直す。
政府は一般健康検診の診療連携率を2030年までに高血圧34%、糖尿病59%、脂質異常症51%へ引き上げ、検診機関の評価に治療連携率を反映することにした。2023年の各連携率は高血圧22.7%、糖尿病39.1%、脂質異常症34.0%にとどまった。
ただし事後相談を健康保険の点数と連動させる案には線を引いた。代わりに事後相談を積極的に実施する機関にインセンティブを付与する方式で誘因策を設けることにした。
民間の健康検診に関する情報公開も拡大する。頻度の高い検診項目の医学的・科学的妥当性を評価して公開し、性・年齢別の推奨ガイドラインも整備する。直接の規制ではないが、政府が根拠不足と判断した検診項目が公開されれば、市場には少なからぬ影響を及ぼすとみられる。
キム・ハンスク局長は「現在は民間健康検診の実態を正確に把握できる体制自体がない」と述べ、「国民が正しい選択を行えるよう、根拠と情報を提供する体制を整える」と語った。