ChatGPTのような生成型人工知能(AI)が高齢者を描写する際、特定の固定観念を反映しうるという研究結果が出た。高齢者を親切で温かい存在として表現する一方で、能動性や専門性は相対的に低く描写する傾向が確認された。
チェ・ムンジョンKAIST科学技術政策大学院教授の研究チームは、OpenAIの生成型AIモデルGPT-4oが作成した文章に含まれる年齢関連の偏りを定量的に分析したと28日明らかにした。今回の研究結果は老年学分野の国際学術誌「ザ・ジェロントロジスト」2月号特集号に掲載された。
生成型AIはインターネット文書など大規模データを学習して回答を生成する。この過程でデータに含まれる社会的偏見まで併せて学習しうるとの懸念が提起されてきた。これまでAIの偏り研究は主に性別や人種問題に焦点が当たってきたが、今回の研究は年齢を理由に特定集団を否定的に見たり差別したりする年齢差別に焦点を合わせた。
研究チームはGPT-4oに10代から90代まで各年齢層の特徴を説明するよう求め、文章900件を収集した。続いて、人や集団への認識を「温かさ」と「力量」という二つの基準で見る社会心理学理論を適用して文章を分析した。
分析の結果、60歳以上の高齢層は親切さ、信頼性、思いやりなどを意味する「温かさ」では高得点だった。一方で、能力、専門性、効率性などを意味する「力量」は若い世代より低く表現される傾向が見られた。
また、70代以上については似た表現が繰り返される様子も確認された。研究チームは、AIが高齢層を賢明で慈愛深い人物として描写しつつも、自身の意見を積極的に示し主導的に行動する姿は相対的に示されにくかったと説明した。
研究チームは、このような表現が反復的に露出する場合、高齢者に対する社会的偏見を強化しうるとみた。とりわけデジタルサービスで高齢層を受動的なユーザーとみなす認識が固定化すれば、高齢者の技術利用と参加を阻む「デジタル年齢差別」につながりうるとの指摘である。
チェ・ムンジョン教授は「AIの偏りは技術だけの問題ではなく社会の問題だ」とし、「包摂的なAIをつくるには多様な世代が開発過程に参加すべきだ」と述べた。
参考資料
The Gerontologist(2026)、DOI: https://doi.org/10.1093/geront/gnaf291