Biosecure Act(生物保安法)発効以降に可視化したサプライチェーン再編の波は、今年の「BIO USA」の会場地図も塗り替えた。中国企業の出展が目に見えて減り、中国パビリオンの規模も縮小した。

一方で米国の州政府パビリオンは増えた。「探知から対応まで、生物防衛のための米国政府との協力(Partnering with the U.S. Government to Support Biodefense from Detection to Response)」というテーマで続いたセッションでは、米国政府と産業界の関係者が「米国はバイオのサプライチェーンを単独では再建できない」と口をそろえた。

米国は今や生産拠点の確保を超え、同盟に基づく「分散型バイオ製造体制」の構築へと戦略の重心を移しているとの分析が出ている。受託開発製造(CDMO)分野で強みを示す韓国が、生産拠点を超えて設計段階から参画するパートナーとなるには、別個の戦略が求められるとみられる。

米議会傘下の助言機関である新興バイオ技術国家安全保障委員会(NSCEB)のアリナ・メルタウス首席補佐官、米保健福祉省(HHS)傘下の戦略準備対応局(ASPR)のアーリン・ジョイナー次官補代理、同省傘下の研究費支援機関である先端研究計画局(ARPA-H)のジョン・シエル博士ら、米政府と産業界の関係者が22日(現地時間)、米カリフォルニア州サンディエゴで開かれた「バイオUSA 2026」で対談している/サンディエゴ=パク・スヒョン記者

◇NSCEB「ホワイトハウスのバイオ・コントロールタワー」勧告…「同盟国との協力を体系化」

米国議会傘下の諮問機関である新興バイオ技術国家安全保障委員会(NSCEB)のアリナ・メルタウス首席補佐官は22日(現地時間)、バイオのサプライチェーンを「単一の政策や単一の機関では解決できない構造的問題」だと述べ、「政策立案者が全員専門家である必要はないが、各自の役割は理解すべきだ」と語った。

2022年に発足し今年末に活動を終了するNSCEBは、6大勧告の一つとして「同盟国とのバイオ技術協力の最大化」を示した。これとは別に、ホワイトハウス内に「国家バイオ調整事務局(National Biotechnology Coordination Office)」を設置することも勧告した。

メルタウス補佐官は、この組織が米国保健先端研究計画局(ARPA-H)・戦略準備対応局(ASPR)の投資と国務省の商業・規制外交をワンストップで連携できると説明した。当該組織が設立されれば、同盟国との協力窓口もより体系化され得るとの見方が出ている。

メルタウス補佐官は「委員会は世界を対象に、各国政府がバイオをどれほど戦略的に捉えているかを直接調査した。北大西洋条約機構(NATO)など既存の協力体制も分析し、委員と職員が直接海外を訪問した」と述べ、共同調達、研究データ共有、大学間協力など新たなパートナーシップモデルの必要性も提起した。

◇必須医薬品のサプライチェーン再建に動く米国…「多国間の分業志向」

米保健福祉省(HHS)傘下の戦略準備対応局(ASPR)のアーリン・ジョイナー次官補は、サプライチェーン再編の現状を数値で示した。

ジョイナー次官補は「新型コロナウイルスのパンデミックを機に米陸軍と共同で策定した86品目の必須医薬品リストは、その後177品目に拡大した」と述べ、「最終製剤の製造体制は国内基盤が比較的良好だが、キースターティングマテリアル(KSM)の生産は依然として脆弱だ」と語った。多くのKSMが石油化学に基盤を置く以上、米国防総省が必要とするエナジェティクス(energetics)素材と重なる企業を連携する多目的サプライチェーン構想にも言及した。

国際協力戦略に関してはインドとメキシコを例に挙げた。ジョイナー次官補は、インドの後発医薬品の原薬(API)メーカーが米国内の生産拠点を望んでいるとして「われわれが求めるタイプの企業だ」と評価した。メキシコとは、米国が生産していないAPI・KSM品目を分担し、危機時に相互供給が可能な構造を志向していると説明した。

◇「良いアイデアはどこからでも」…核心技術は米国内で確保

米保健福祉省傘下の研究費支援機関である保健先端研究計画局(ARPA-H)のジョン・シエル博士は、サプライチェーンを「出発物質と生産能力が同時に存在してこそ完成する構造」と定義し、「どちらか一方が欠ければシステム全体が作動しない」と強調した。

ARPA-Hの投資ポートフォリオは三つの柱で構成される。第一は出発物質の「再構想」だ。シエル博士は、小麦(Wheat)由来の原料と無細胞抽出技術を活用して低分子・高分子APIを合成する「小麦プロジェクト」を例示した。無細胞抽出技術自体は古いが大規模拡張が不可能だったところ、ARPA-Hがこの限界を突破することに投資したという。

第二は分散型製造と多品目生産だ。高コストの中央集約型GMP(医薬品の適正製造・品質管理基準)施設の代わりに、遺伝子治療薬やリボ核酸(RNA)ベース医薬品を小規模かつ柔軟に生産するプラットフォーム技術に集中している。

第三は希少疾患から量産まで、同一の技術を「スケールアップ」と「スケールアウト」の両方向に拡張できる構造だ。シエル博士は「緊急時にはこの技術が両方向で機能しなければならない」と強調した。

シエル博士は国際協力について「良いアイデアはどこからでも生まれる。同盟国のパートナーが共に参画できれば、より大きな成果を生み出せる」と述べた。ただし長期的には米国内で技術を先に確保することが目標だと線引きした。国際協力には開いている一方で、核心技術の能力は自前で確保するという意思だ。

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