米国議会がバイオシミラー(バイオ医薬品の後発薬)市場への参入障壁を下げ、オリジナル医薬品の特許乱用を制限する方向で制度改編に乗り出したことで、韓国のバイオシミラー企業が恩恵を受ける見通しだ.
とりわけ米国市場で既にシェアを拡大しているCelltrionとサムスンエピスホールディングス子会社のサムスンバイオエピスの成長にも弾みがつくと期待される.
19日韓国バイオ協会バイオ経済研究センターによると、米上院保健・教育・労働・年金(HELP)委員会は17日(現地時間)にバイオシミラーの市場参入を迅速化するためのバイオシミラー規制緩和法を全会一致で可決した. 上下院本会議での可決と大統領署名を残すのみだ.
このほか委員会は、医薬品価格適正性・特許無欠性法、ジェネリック(後発薬)医薬品適時アクセス保障法などに関する審議を進める予定だ.
◇「オリジナル薬の独占を防ごう」…米、バイオシミラー開発の費用・時間↓
これら法案は共通して、オリジナル医薬品の市場独占を緩和し、バイオシミラーとジェネリック医薬品の市場参入を促進する内容を盛り込んでいる. 業界では今回の規制緩和法案が最終可決されれば、米国バイオシミラー市場の成長速度が一段と加速すると分析している.
最も注目される変化は「インターチェンジャブル(相互交換可能)」制度の廃止だ. 現在米国ではバイオシミラーとは別にインターチェンジャブル・バイオシミラー制度を運用している. インターチェンジャブルの地位を獲得した製品は、薬局で医師の処方変更なしにオリジナル医薬品を代替できるが、そのためには追加の臨床試験と別途の審査を経なければならない.
今回の法案が最終可決されれば、FDAの承認を受けたバイオシミラーは別途の追加審査なしに自動でインターチェンジャブルの地位を得る. 事実上、バイオシミラーとインターチェンジャブルの区分が消えることになる. これにより開発費用と承認負担が減り、市場参入の速度が上がるのはもちろん、薬局での代替調剤の拡大も期待される.
バイオ経済研究センターは「インターチェンジャブル制度の廃止は米国バイオシミラー市場の参入障壁を下げる象徴的な変化だ」とし、「これと併せて第3相試験の免除などバイオシミラーに対する規制緩和が本格化し、今後10年間にブロックバスター・バイオ医薬品が相次いで特許満了を迎える見通しであることから、バイオシミラー開発企業の追加臨床・承認負担が軽減し、市場参入の速度も速まると期待される」と説明した.
米国政府のバイオシミラー育成方針は既に可視化している. FDAは3月、科学的妥当性が認められる場合、薬物動態(PK)評価を省略または簡素化できるとの方針を示した. 一定要件を満たせば、開発中のバイオシミラーと米国基準製品、海外比較製品を比較する「三者PK試験」を省略できるようにし、治験届(IND)の負担を減らすための迅速IND制度も新設した.
◇Celltrion・サムスンバイオエピスに恩恵期待…米シェア拡大競争
このような制度変更は、米国市場で多数のバイオシミラーを販売中のCelltrionとサムスンバイオエピスにプラスに働く見通しだ. 業界関係者は「これまでインターチェンジャブル地位の有無が市場競争力に影響してきただけに、制度廃止はバイオシミラー企業の負担を大きく軽減する効果があるだろう」と語った.
現在Celltrionは米国市場でバイオシミラー10種についてFDAの品目承認を受けた. 自己免疫疾患治療薬「アプトスマ」皮下注(SC)製剤とじんましん治療薬「オムリクロ」の米国での発売を控えており、年末には眼科疾患治療薬アイリアのバイオシミラー「アイデンジェルト(アフリベルセプト)」も発売する予定だ.
後続パイプラインの開発も進行中だ. Celltrionは先月、自己免疫疾患治療薬「コセンティクス」バイオシミラー(CT-P55)のグローバル第3相試験計画をFDAから承認され、免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」バイオシミラー(CT-P51)は4月に食品医薬品安全処の承認を受け、第3相臨床を進行中だ.
サムスンバイオエピスは現在、米国でバイオシミラー5種を販売している. アイリアのバイオシミラー「オフュビズ」は2024年にFDA承認を受け、来年1月の発売を控えている. キイトルーダのバイオシミラーは非小細胞肺がん患者を対象に第3相臨床を進行中で、年内に完了する予定だ.
両社の米国市場シェアも着実に上昇している. Daol Investment & Securitiesが集計した5月の米国バイオシミラー処方データによると、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の自己免疫疾患治療薬「レミケード(成分名インフリキシマブ)」市場でCelltrionの「レムシマ」はシェア30.4%でバイオシミラーの中で1位を記録した. サムスンバイオエピスの「レンフレクシス」は10.5%だった.
スイスのロシュの血液がん治療薬「リツキサン(リツキシマブ)」市場では、Celltrionの「トルキシマ」が38.6%でオリジナル医薬品(23.0%)を上回った. 米ファイザーのバイオシミラーが33.1%で続いた.
米アッヴィの自己免疫疾患治療薬「ヒュミラ(アダリムマブ)」市場では、サムスンバイオエピスのハドリマが17.3%で、オリジナルのヒュミラ(40.2%)に次ぎ、バイオシミラーの中で最も高いシェアを記録し、Celltrionの「ユプリマ」は8.1%を記録した.
J&Jの自己免疫疾患治療薬「ステラーラ(ウステキヌマブ)」市場では、オリジナル医薬品のステラーラ(36.8%)が1位を守った. バイオシミラーの中ではバイオコンが32.3%で最も高いシェアを示し、Celltrionの「Steqeyma」が13.3%を記録した. サムスンバイオエピスの「フィズチバ」(4.8%)、昨年5月に米国で発売した東亜STの「IMULDOSA」(0.3%)が続いた.
業界では、米国で直販体制を構築したCelltrionが主要製品群で速やかにシェアを拡大していると評価する. 一部の品目ではオリジナル医薬品を追撃、あるいは上回り、市場支配力を強化している.
一方サムスンバイオエピスは、現地パートナー企業を通じた販売戦略を維持している. ただしハドリマがヒュミラのバイオシミラーの中で最も高いシェアを記録するなど存在感を高めており、今後米国市場でのシェア拡大のスピードが成長を左右すると見込まれる.