政府が地域・必須医療の崩壊と首都圏への患者集中現象を解消するため、国立大学病院を地域医療体制の中核拠点として育成する。国立大学病院の教授人員を増やし、救急・心脳血管・外傷など必須医療センターを拡大する一方、研究・教育機能まで強化し、地域でも首都圏水準の医療サービスを受けられるようにする構想である。
保健福祉部と教育部は15日、忠南大学病院でこのような内容の「地域・必須医療強化のための国立大学病院総合的育成方向」を発表した。
◇教授を増やし人件費規制を緩める…地域国立大学病院の「人手不足」解消
政府は地域の国立大学病院を単なる診療機関ではなく教育・研究病院として育成し、臨床・研究・教育・公共政策機能をすべて強化する計画だ。これにより国立大学病院が地域完結型医療体制の中心軸の役割を果たすようにするという目標である。
今回の方策の核心は医療人材の拡充である。これまで地域の国立大学病院は、首都圏の大規模病院と比べて低い賃金と硬直した人員運営体制、不足する研究インフラなどにより優秀な医療人材の確保に苦労してきた。
実際、ソウル大学病院1カ所の福祉部研究開発(R&D)予算が、地域の国立大学病院9カ所全体より多い。研究を遂行する臨床医師と上級研究人材も首都圏の大規模病院がそれぞれ2〜5倍以上多く、研究と診療を並行しようとする医療人材が首都圏へ移動する要因として指摘されてきた。
政府はこれを解消するため、来年から地域国立大学病院の専任教員を段階的に増員する。医学部の定員拡大と地域・必須医療需要を考慮して教授人員の拡充を推進する一方、総人件費規制を緩和して民間病院水準の待遇を提供する計画だ。病院別の人員需要に合わせて定員を弾力的に運用し、必須診療科の専門医は迅速採用(Fast-Track)が可能となるよう制度も手直しする。
単に人員を増やすにとどまらず、研究装置と研究人員を拡充して教育・研究病院としての競争力も高める。政府は自由な研究・教育環境を造成してこそ優秀な医療人材が地域に定着できるとみて、研究インフラ投資も拡大する方針だ。
現在、ソウル主要上級総合病院の病床10床当たり専門医数は4.3人水準である一方、地域国立大学病院は2.3人水準にとどまっている。政府は優秀な医療人材が地域に流入・定着できる環境を造成し、地域国立大学病院の診療能力を首都圏大規模病院水準へ引き上げる計画だ。
◇「救急外来のたらい回し」を防ぎ、研究・教育機能を強化
救急外来の過密化と、患者が治療を受ける病院を見つけられず救急車で転々とする、いわゆる「救急外来のたらい回し」問題の解決策も盛り込んだ。政府は救急・母子・心脳血管・外傷・小児など5つの政府指定必須医療センターを国立大学病院中心に拡大指定し、必須医療提供の中核機関としての役割を強化することにした。
医療インフラ投資も拡大する。ロボット手術機とがん治療装置など先端医療機器を導入し、集中治療室と手術室を拡充して重症・救急患者の治療能力を高める計画だ。人工知能(AI)基盤の診療システム導入も支援し、診断補助と患者モニタリング機能を強化する。
研究機能も補強する。国立大学病院間の臨床データを連携して大規模研究インフラを構築し、産学研病(産業界・学界・研究機関・病院)協力研究を拡大する。これにより、抗がん剤と希少疾患治療薬、先端再生医療などの新技術開発と臨床研究参加を活性化する方針だ。
教育分野では専攻医の配分拡大と臨床教育訓練センターの構築を推進する。今年の専攻医1年目募集で、地域国立大学病院の内科充足率は23.2%にとどまり、一部病院は志願者が1人もいなかった。政府はシミュレーション基盤の教育施設と協力研修体制を構築して研修環境を改善し、地域医師制度と連携して医学生の教育から専攻医の研修、専門医の定着まで全サイクルを支援する計画だ。
政府はこのような政策を下支えするため、地域必須医療特別会計を活用した中長期の財政支援策を用意し、必須医療と公衆医療の成果に対する報酬体系も強化する予定だ。あわせて国立大学病院の育成を専担する組織を新設し、政策の推進力を高める計画である。
鄭銀敬(チョン・ウンギョン)福祉部長官は「国立大学病院の育成は医療政策を超え、地域の定住条件改善と国家均衡発展のための核心投資だ」と述べ、「国立大学病院が地域必須医療の責任機関であり、研究・教育・公衆医療の中核拠点として定着できるよう支援を拡大する」と語った。
チェ・ギョジン教育部長官は「国立大学病院が地域・必須医療の中枢機関であり、医学教育と研究の核心機関として成長することを期待する」と述べ、「教育部としても、国立大学病院が国立医大の教育病院としての役割を忠実に遂行できるよう支援を続けていく」とした。