11日、ソウル中区のザ・プラザホテルで会ったミヒャエル・グシュバイトル、欧州宇宙機関(ESA)ビジネスインキュベーションセンター(BIC)スイス テクニカルリード。/在韓スイス大使館

「韓国とスイスはいずれもバイオ・製薬の研究開発(R&D)基盤を備えているだけに、両国は宇宙生命科学と宇宙関連の製薬分野で自然に協力できる。」

11日、ソウル中区ザ・プラザホテルで会ったミハエル・グシュバイトル(Michael Gschweitl)欧州宇宙機関(ESA)ビジネス・インキュベーション・センター(BIC)スイスのテクニカルリードは、韓国とスイスの宇宙協力の可能性を問う質問に対し、宇宙生命科学をまず挙げた。グシュバイトルは、両国の協力の接点が宇宙生命科学から地球観測データや軌道上製造にまで広がり得ると見ている。

グシュバイトルはESA BICスイスで宇宙連携スタートアップを支援している。ESA BICスイスは、宇宙技術を地上産業に適用するか、地上技術を宇宙環境へ持ち込むか、衛星・地球観測データを活用する企業を発掘する。現在プログラム内にはスタートアップが約100社ある。

グシュバイトルは韓・スイスイノベーションウィークの一環として開かれた「スイス宇宙産業の日」セミナーに出席するために来韓し、韓国の宇宙企業、研究機関、政府関係者らと会った。グシュバイトルは「今回の訪問は、韓国にどのような力量と専門性があるのかを深く理解し、事業と研究の両面で協力の可能性を探るためだ」と述べた。

◇生命科学・データ・軌道製造…韓・スイス宇宙協力が拡張

グシュバイトルはボリョンなど韓国企業の宇宙ヘルスケア・バイオ分野での試みを挙げつつ「韓国とスイスの協力の可能性は、発射体や衛星開発にとどまる必要はない。宇宙生命科学を起点に協力の範囲を徐々に広げていける」と語った。

宇宙生命科学は、微小重力のように地上と異なる宇宙環境を活用し、細胞の成長様式やタンパク質結晶形成、薬物反応などを調べる研究領域である。例えば、地球の重力下で観察した生命現象が宇宙環境では異なって現れる場合がある。これを活用すれば、新薬候補物質の研究やバイオ医薬品の開発に必要なデータを得ることができる。

グシュバイトルは宇宙生命科学に加え、地球観測データも韓・スイス協力の接点として挙げた。地球観測データは、衛星が地球を撮影または観測して得た情報を指す。気候、農作物の生育、災害、船舶の移動、物流の流れなどを分析するのに使える。

グシュバイトルは「韓国の地球観測企業と会ったが、正直、韓国の技術水準とサービスがここまで発展しているとは知らなかった」と述べ、「衛星データを単に確保することを超え、保険、物流、農業、研究分野などに活用する『ダウンストリーム』領域で両国は協力できる」と説明した。ダウンストリームは衛星から得たデータを地上産業に活用する分野だ。

軌道上製造も協力可能性が大きい分野として挙げた。軌道上製造は、宇宙空間で素材や部品、バイオ物質などを生産する技術である。地球の重力の影響を受けにくい環境では、物質が地上とは異なる混合や結晶化を起こし得るため、新素材やバイオ研究に活用できる。ただし、宇宙で実際に何かを作るには精密なロボットアームと制御装置、素材技術が必要だ。

グシュバイトルは「スイスが強みを持つ精密工学、ロボティクス、センサー、先端素材、コンピューティング分野と、韓国の宇宙生産技術、バイオリアクター分野がつながり得る」とし、「宇宙で何かを実際に生産する領域はまだ新しく、発展の余地が大きい」と述べた。

さらに「韓・スイス協力は大仰な宣言よりも具体的な課題から出発すべきだ」とし、「成功する協力は普通、ファンディングから始まらない。人が出会い、共同のビジョンを持ち、アイデアを整理した後に具体的な資金を付ける形で発展する」と語った。

スイスの宇宙航空スタートアップ「クリアスペース」が世界初の宇宙ごみ回収ミッションを実施する様子の想像図。/クリアスペース

◇カスタマイズ技術・パートナーシップ・売上…スイス宇宙エコシステムの生存戦略

スイスの宇宙スタートアップ・エコシステムの特徴は、大量市場で競うよりも高度に特化した課題を解くことにある。グシュバイトルは「スイスの宇宙スタートアップは最初からパートナーシップをしっかり積み上げ、カスタマイズされたソリューションを提供するやり方で動く」と説明した。

とりわけESA BICスイスのプログラム企業の相当数は、チューリッヒ連邦工科大学(ETHチューリッヒ)とローザンヌ連邦工科大学(EPFL)などスイスの二大工科大学から生まれたディープテック企業だ。グシュバイトルは「スイス企業は新規でカスタマイズされた解法を市場に出すやり方で競争する」とし、「それだけ大学の技術基盤が重要だ」と述べた。

ただし、技術力だけでスタートアップが成長するわけではないという。グシュバイトルは「スイスでは80〜90%の企業が非常に堅固な技術基盤を持っている」とし、「だから私たちは『チーム』を見る。創業チームがどのように共に働くか、技術的専門性が多様か、性別を含めチーム構成がどれほど多様かも見る」と語った。

グシュバイトルは、技術に秀でた創業チームほど市場を対象にした説明で弱点を見せる場合があるとした。グシュバイトルは「ターゲット市場が何か、顧客が誰か、どんな価値を提案するのかを明確に言えなければならない」とし、「顧客と投資家が理解できる形で自らの技術を説明する能力が重要だ」と述べた。

一方、欧州の宇宙スタートアップのボトルネックとしては成長資金が挙がる。スイスでは初期資金の投資を受けられる経路は比較的多いが、数千万ドル規模で会社を成長させる段階の資金は依然として不足しているという。グシュバイトルは、この問題はスイスだけでなく欧州全般が抱える課題だと述べた。

グシュバイトルは成長資金の不足を、単に投資額の規模の問題だけとは見ていない。優れた技術を持つスタートアップが次の段階へと成長するには、投資家だけでなく技術を使ってくれる顧客、共に課題を解くパートナー、後続の創業チームが継続的に現れる環境が必要だという説明だ。

グシュバイトルは「ESA BICの目標は、スイスの中で宇宙スタートアップの密度を高め、これらがフォローオン投資へとつながり得る成長基盤を作ることだ」と述べた。

続けて「投資誘致額も重要だが、スタートアップが実際に成長しているかは売上に表れる。年商100万ドル(約15億ウォン)を超えた企業が増えることがエコシステムの密度を作る」とし、「売上を上げる企業が多くなるほど雇用と顧客接点が増え、人材が再びエコシステムの内側に蓄積される」と付け加えた。

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