世界首位のビューティー企業であるロレアルが米資産運用会社とともに、韓国のリボ核酸(RNA)技術企業であるOliX Pharmaceuticalsの1100億ウォン規模の第三者割当増資に参加し、その背景に関心が集まっている。
投資規模自体は大きくないが、昨年の共同研究契約に続き直接の持分投資に踏み切っただけに、業界は次世代の脱毛・毛髪管理技術に対するロレアルの戦略的意思が反映されたと解釈している。
4日金融監督院によると、OliX Pharmaceuticalsは戦略的投資家を対象とした第三者割当増資を通じて約1100億ウォン規模の資金を調達する。このうちロレアルグループのベンチャー投資ファンドであるボールド(BOLD)は約105億ウォンを投資して新株7万余株の割当を受け、米資産運用会社ワイス・アセット・マネジメントはブルックデール・グローバル・オポチュニティ・ファンドとブルックデール・インターナショナル・パートナーズを通じて約1002億ウォンを投資する予定だ。
ロレアルの今回の持分投資は2025年6月に締結した共同研究の延長線上にある。当時両社はOliX Pharmaceuticalsの短鎖干渉リボ核酸(siRNA)技術を活用し、皮膚・毛髪分野の共同研究に着手した。OliX Pharmaceuticalsが研究開発を主導し、ロレアルは製品開発と商業化の側面で助言を提供する方式である。
業界はロレアルが共同研究に続き直接投資家として参加した点に注目している。単なる技術検討を超え、OliX Pharmaceuticalsの研究成果と事業化可能性に対する信頼を示した動きだとの評価だ。今回の投資を機に両社の戦略的パートナーシップも一段と強化される見通しだ。
siRNAは特定のタンパク質を作る設計図の役割を担うメッセンジャーリボ核酸(mRNA)を選択的に除去し、遺伝子発現を抑制する技術である。疾病や老化、脱毛を誘発するタンパク質生産自体を遮断できるため、次世代の遺伝子治療プラットフォームとして評価される。
とりわけ脱毛分野では、男性型脱毛症の主要因であるアンドロゲン受容体(AR)とジヒドロテストステロン(DHT)関連シグナルを遺伝子段階で調節できる点が強みとされる。既存の脱毛治療薬がホルモンの生成や作用を抑制する方式だとすれば、siRNAは脱毛を誘発する遺伝子シグナル自体を遮断するアプローチである。
現在、siRNAベースの脱毛治療薬は大半が臨床試験段階にとどまっているが、一部の研究ではDHT生成の減少と毛髪成長促進の効果が確認され、次世代の脱毛治療技術として注目を集めている。
ロレアルは脱毛・毛髪分野の新製品商業化に向け、数年にわたり世界のバイオベンチャーを検討してきたとされる。業界では、ロレアルが最終的にOliX Pharmaceuticalsを選んだ背景に、同社の独自siRNAプラットフォーム技術があるとみている。
OliX Pharmaceuticalsの競争力は自社開発の「非対称siRNA」プラットフォームにある。会社はRNA干渉技術に基づき遺伝子抑制効率を高めた非対称siRNA技術を保有しており、既存siRNA治療薬の限界とされる細胞内送達の課題を克服するため、局所投与治療薬開発プラットフォームである「自己送達型非対称siRNA」プラットフォームも開発した。
現在オーストラリアで臨床1b・2a相を進行中の男性型脱毛症治療候補「OLX104C」もこのプラットフォームに基づいて開発された。OLX104Cは月1回投与方式でアンドロゲン受容体の発現を減少させ、脱毛を誘発するホルモンシグナルを遮断する機序である。会社は既存のDHT阻害剤で現れ得る性機能低下や抑うつ感などホルモン関連の副作用を最小化できると期待している。
業界ではビューティー企業であるロレアルの事業特性を考慮すると、OliX Pharmaceuticalsの技術は新薬開発よりも機能性ヘアケア製品に活用される可能性が高いとみている。塗布型のクリームやシャンプー、頭皮エッセンスなど機能性毛髪化粧品にRNA技術を組み合わせられるとの分析だ。
従来の化粧品が皮膚と毛髪のケアに焦点を当てていたとすれば、RNA技術は脱毛と老化の原因を遺伝子段階で調節できる点で差別化される。長期的にはRNA技術が適用された脱毛緩和化粧品や頭皮ケア製品など新たな市場が形成されるとの見方も出ている。
ギーヴ・バルーチ(Guive Balooch)ロレアル・オープンイノベーション・増強ビューティー部門グローバル総括者は「今回の戦略的協力はOliX PharmaceuticalsのsiRNAプラットフォーム技術と、ロレアルが生物学・技術・製剤分野で100年以上積み上げてきたイノベーション能力を結合するものだ」と述べ、「先端生物学と堅固な科学的根拠に基づき、消費者に新たな水準の性能を提供し、将来のビューティー産業の革新を前倒しする」と語った。
一方、OliX Pharmaceuticalsは昨年米イーライ・リリーと技術協力契約を締結したのに続き、ロレアルとの共同研究および資金調達まで取り付け、グローバル市場で技術力が認められているとの評価を受けている。