KAISTとハンファソリューションが、廃資源を活用してプラスチックや繊維などに使われる環境配慮型原料を生産するバイオ技術を開発した。
KAIST-ハンファソリューション未来技術研究所は、ハンファソリューションと共同で、バイオディーゼル生産過程で出る副産物であるグリセロールを活用し「1,3-プロパンジオール(1,3-PDO)」を生産する技術を確保したと19日明らかにした。研究結果は国際学術誌「ネイチャー・ケミカル・エンジニアリング」に12日(現地時間)掲載され、5月号の表紙論文にも選定された。
1,3-PDOはプラスチック、繊維、化粧品原料などに使われる化学物質である。従来は主に石油化学原料に依存して生産してきたが、足元でナフサ価格の変動と供給不安が拡大するなか、代替原料と生産方式への関心が高まっている。
研究陣は廃棄されるグリセロールを原料に用い、これを1,3-PDOに変換する高効率微生物を開発した。微生物が原料を分解し所望の物質を生成するよう代謝過程を設計し、発酵条件も産業工程に合わせて調整した。
今回の技術は、実験室レベルを超え実際の工程への適用可能性を確認した点で意義がある。研究陣は300L規模のパイロット工程でも高い生産性を維持することに成功した。パイロット工程は大型工場に適用する前に技術が安定的に稼働するかを検証する中間段階である.
また、コンピューターシミュレーションで微生物の代謝経路を事前に設計するデジタル設計技術を適用した。抗生物質を使わずに微生物工程を安定的に運用する方式も導入し、生産コストと環境規制の負担を下げられる可能性を確認した。
イ・サンヨプKAIST生命化学工学科特訓教授は「微生物を用いた化学物質生産が実験室を超えて産業規模へ拡張できることを示した事例だ」と述べ、「今後、多様な化学素材を環境配慮型で生産するうえで活用できるだろう」と明らかにした。
参考資料
Nature Chemical Engineering(2026), DOI: https://doi.org/10.1038/s44286-026-00389-w