肝臓の画像。最近、GLP-1系薬のMASH治療効果が実証され、GLP-1を活用したMASH新薬開発が活発化した。/Pixabay

韓国の製薬・バイオ企業が27日から30日までスペインで開かれる欧州肝学会で肝疾患治療の研究成果を公開する。欧州肝学会は米国肝学会と並ぶ海外の二大学会だ。最新の研究動向をうかがい、グローバル製薬企業に「存在感」を示して技術移転を議論する場になり得る。

今回の学会では「脂肪肝」と呼ばれる代謝異常脂肪肝炎(MASH)に関する議論が活発になる見通しだ。これは肝臓に脂肪が過剰に蓄積して炎症が生じるもので、肝炎、肝硬変、肝癌を誘発し得る。飲酒しなくても発生する可能性がある。企業は単なる脂肪減少を越え、肝が硬くなる線維化の改善までに挑戦している。

◇脂肪を減らし線維化も改善…MASH征服に乗り出した

D&DファーマテックはMASH治療薬候補物質DD01の第2相臨床の主要指標を公開する。投与48週時点で肝線維化がどの程度改善したか、組織生検の結果を明らかにする予定だ。先に投与12週時点では脂肪が平均62.3%減少したことが示された。脂肪肝で炎症が持続すると組織が線維化して硬くなり得る。

この候補物質は週1回投与の注射剤で、グルカゴン様ペプチド(GLP)-1およびグルカゴン受容体に作用する。GLP-1は膵臓でインスリン分泌を促進するホルモンである。主に肥満治療薬として用いられるが、近年はMASH治療効果が実証され、これを活用した新薬開発が活発だ。

D&DファーマテックはMASH治療薬の開発を第2相臨床まで進める。第3相からはライセンスアウト(技術移転)を推進する。第3相まで自社で行うには莫大な費用と時間がかかるため、技術移転を進める計画だ。

2023年、オランダ・アムステルダムで開かれた欧州肝臓学会の学術大会の写真。/欧州肝臓学会ホームページ

◇肥満治療薬の変身?肝治療の可能性も

東亜STの関係会社メタビアは肥満治療薬候補物質DA-1726の研究結果を発表する。同様にGLP-1とグルカゴン受容体に同時作用する。食欲を抑制し、末梢で基礎代謝量を増加させて体重減少を誘導するものとされる。

この候補物質は第1相臨床で有効性と安全性を確認している。治療薬投与54日目に体重減少とともに肝の硬直度が基準値より10.3%低下したことが示された。硬直度の低下は肝線維化の改善と関連付けられる指標とみなされる。

会社関係者は「肥満治療薬として臨床中だが、肝関連データも併せて評価している」と述べ、「MASH治療薬へ発展し得る可能性を示唆すると解釈できる」と語った。ただし「(まだ第1相段階のため)断定はできない」と付け加えた。

柳韓洋行のMASH治療薬候補物質YH25724の第1相臨床結果も公開される予定だ。この候補物質は柳韓洋行がベーリンガーインゲルハイムに技術輸出したが、昨年に返還された。柳韓洋行は自社開発を続けている。柳韓洋行の関係者は「発表は臨床を進めたベーリンガーインゲルハイム側で行う予定だ」と述べた。

◇治療薬は少数…ブルーオーシャン先取りに動くKバイオ

MASH患者は韓国をはじめ先進国で着実に増えている。韓国保健産業振興院によると、世界のMASH患者は4億人と推定される。医薬品市場調査機関イバリュエート・ファーマは、世界のMASH治療薬市場規模が2024年2700億ウォンから2030年14兆ウォンへ成長すると予測する。

現在までに米食品医薬品局(FDA)が承認したMASH治療薬は、マドリガル・ファーマシューティカルズのレズディフラとノボノルディスクのウゴービの2件がある。MASHは発症要因が複雑で治療薬開発が容易ではない。バイオ業界の関係者は「国内企業が研究開発に成功すれば、その分だけ市場を早期に先取りできる」と語った。

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