静脈注射(IV)製剤のバイオ医薬品を、より短時間で投与できる皮下投与(SC)へ転換する技術がグローバル製薬大手の注目を集め、市場競争が本格化している。
兆単位の技術輸出に成功し「SCプラットフォームの強者」として地位を固めたAlteogenに続き、伝統的製薬企業のヒューオンスもグローバル契約を推進し、市場を再編する変数として浮上している。
7日、業界によると、ヒューオンスはグローバル製薬企業と静脈注射製剤の医薬品を皮下投与製剤に転換するため、自社プラットフォーム「ハイディフューズ(HyDIFFUZE)」を適用する共同開発契約を協議している。現時点では抗体・薬物複合体(ADC)医薬品が有力に検討されているとされる。
ジェネリック中心の専門医薬品事業を基盤に成長してきたヒューオンスは、ボツリヌス毒素などでポートフォリオを拡張したのに続き、足元ではバイオ事業へ重心を移し体質転換を加速している。この過程で中核軸として浮上したのがHuons Global傘下の研究開発(R&D)子会社ヒューオンスラボが開発した「ハイディフューズ」プラットフォームである。
ハイディフューズは、組換えヒト由来ヒアルロニダーゼを基盤に、抗体医薬品だけでなくADCまでSC製剤へ転換できる技術である。会社は3月、米国臨床薬理治療学会(ASCPT)で、抗体とADC3種にハイディフューズを適用した前臨床結果、原薬に比べ吸収効率が大幅に改善されたと明らかにした。
ADCはがん細胞のみを標的として攻撃する抗がん剤で、大半は静脈注射で投与される。一般的に投与に4〜5時間を要するが、これを腹部や大腿などの皮下脂肪に注射する方式へ転換すれば、投与時間が5分前後に短縮され、患者が自己投与することも可能になる。患者の利便性と病院内の投薬効率を大きく高められる点から、SC転換プラットフォームはグローバル製薬企業の中核競争力と位置づけられる。
現在、ADCのSC転換技術はAlteogenが主導している。Alteogenはヒアルロニダーゼ「ALT-B4」を活用したプラットフォーム「ハイブロザイム」を基盤に、日本の第一三共と英国アストラゼネカが共同開発した「エンハーツ」のSC製剤を開発中である。
英国グラクソ・スミスクライン(GSK)、米国バイオジェンなどと計7件の技術輸出契約を締結しており、米国メルク(MSD)と共同開発したグローバル売上首位の医薬品である免疫抗がん剤「キイトルーダ」のSC製剤は米国と欧州で承認された。
このほか、Inventage Lab、Prestige Biopharmaなど韓国の複数のバイオテックがSCプラットフォーム開発に乗り出し、関連競争が拡大している。
このような構図の中で、ヒューオンスの登場は新たな変数と評価される。現在協議中の共同開発対象は、エンハーツと競合関係にあるADC候補物質とされる。SC転換に成功すれば、後発ながら市場での存在感を迅速に拡大する可能性がある。
ヒューオンスは昨年から主要国際学会やイベントでハイディフューズプラットフォームを紹介し、グローバル製薬企業とのパートナーシップミーティングを進めてきており、現在も多数の企業とSC転換プラットフォームの技術輸出を推進中である。ヒューオンスラボは、同プラットフォームがADCだけでなく二重特異性抗体、標的タンパク質分解薬(TPD)など多様なモダリティ(治療送達法)に適用可能な点を強みとみている。
会社関係者は「ハイディフューズプラットフォームは、抗体とADC治療薬を越え、さまざまな次世代バイオ医薬品の皮下製剤開発にも活用できる」と述べ、「グローバル製薬企業との共同開発および協力の議論を継続していく」と語った。
ハイディフューズプラットフォームで開発したSC医薬品の商用化も控えている。ヒューオンスラボは昨年12月、ヒアルロニダーゼ製剤「ハイディザイム注」について食品医薬品安全処(韓国の医薬品規制当局)に品目許可を申請した。これは米国ハロザイムのヒアルロニダーゼ製品「ハイレネックス」と同一のタンパク質アミノ酸配列で作ったバイオ医薬品である。
ハイレネックスは韓国と欧州で2024年3月に特許が満了し、米国では2027年9月に満了する予定である。第1相臨床の資料のみで承認が可能である点を踏まえると、年内承認の可能性に重みがある。