ブロックバスター医薬品(年商10億ドル)の特許満了でバイオシミラー(バイオ医薬品の後発品)競争が本格化し、これを開発したグローバル製薬各社の成長も鈍化し始めた。
主要企業が市場予想を小幅に上回る業績を出しても成長性懸念で株価が下落するなど、期待値調整の流れが続いている。
ここに米国の薬価政策の不確実性まで重なり、今年もM&A(合併・買収)と技術取引を通じて将来の収益源を確保しようとする動きが一段と加速する見通しだ。
2日製薬業界によると、グローバルトップ製薬各社の2026年1~3月期の業績が相次いで発表されるなか、実績に比して市場評価が低下している。
会社の全体売上高は概ね予想を満たしたが、核心製品の売上がバイオシミラー参入で急減し、今後の成長性に対する懸念が高まっているためだ。
◇売上は伸びたのに株価は急落…「特許満了品依存で成長性に疑問」
まず過去14年間、世界売上高1位の座を守っている米国のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は2026年1~3月期の売上高が241億ドル(ハンファ35兆8600億ウォン)だった。前年同期比10%増で市場予想を上回った。
市場では「2025年度の業績と後続パイプラインへの期待感から年初来で既に約15%上昇した株価を勘案すると、今期の業績が十分に期待に応えたかは疑問だ」と評価した。
こうした市場反応は核心製品の売上空白への懸念が反映されたとみられる。子会社ヤンセンが開発した自己免疫疾患治療に使うブロックバスター「ステラーラ」は年間グローバル売上が約15兆ウォンに達するブロックバスターだったが、昨年米国で特許が満了した後、国内のCelltrion、サムスンバイオエピスをはじめ世界各国の製薬企業が相次いでバイオシミラーを投入し、売上は約60%減の6億5600万ドル(約9760億ウォン)へ急減した。
類似の流れは米国アッヴィでも見られた。アッヴィは4月29日(現地時間)、売上高150億ドル(約22兆3200億ウォン)と前年同期比12.4%増で予想を上回ったが、市場の反応は冷ややかだった。自己免疫疾患治療薬「ヒュミラ」の売上が6億8800万ドル(約1兆ウォン)と前年から40.3%減少し、株価は4.25%下落した。
ヒュミラは年間売上200億ドル(約28兆7000億ウォン)を超えたグローバル製薬市場初の医薬品とされるが、2023年に米国で特許が満了して以降、バイオシミラーが大量に出てきたことで業績悪化は避けられない状況だ。
欧州の製薬各社でも業績と株価の乖離が表れた。英国のアストラゼネカ(AZ)はエンハーツ、インフィンジなど抗がん剤の伸長に支えられ売上が前年同期比8%増、グラクソ・スミスクライン(GSK)も売上が5%増だった。しかしロンドン市場でアストラゼネカの株価は1.4%下落し、GSK株は最大8%下落した。
一方、ブロックバスターの独占権延長戦略で市場の肯定的評価を受けた企業もある。フランスのサノフィは、全体売上の約40%を占めるアトピー性皮膚炎治療薬「デュピクセント」の投与間隔を2週間から4週間へ延ばす新規製剤を開発し、特許期間を2045年まで延長する方針を示した。
昨年、喘息フェーズ2、慢性閉塞性肺疾患(COPD)フェーズ3の失敗など臨床リスクが続いたにもかかわらず、決算発表後に株価は3.39%上昇した。
◇ビッグファーマ、特許満了・薬価政策の圧力下で「M&A」で将来の収益源を発掘
グローバル製薬業界は特許満了に伴い市場にバイオシミラーが溢れ、オリジナル医薬品の売上空白とともに成長率の鈍化が本格化している。足元では業績が期待値を満たしても将来の収益源が明確に見えないまま株価が下落する「デカップリング」現象も続いている。
ここに米国の薬価政策が追加的な負担要因として作用している。米国トランプ政権が推進中の「最恵国(MFN)」薬価政策は、米国の薬価を他の先進国の中で最も低い水準に合わせる方式だ。米国市場で高価格によって収益を上げてきた製薬企業にとっては、核心の収益源が揺らぎ得る。これによりグローバルな医薬品価格制度全般に影響を及ぼす可能性があるとの懸念が出ている。
パスカル・ソリオ(Pascal Soriot)AZ最高経営責任者(CEO)は「米国と参照国の間で薬価格差が過度に拡大すると、新薬を当該国に上市するのが難しくなり得る」と指摘した。
ヴァス・ナラシムハン(Vas Narasimhan)ノバルティスCEOも「MFN政策の影響はまだ本格化していないが、今後18カ月以内に可視化されるだろう」とし「欧州政府との議論が十分ではない」と懸念を示した。
トーマス・シネッカー(Thomas Schinecker)ドイツのベーリンガーインゲルハイムCEOも「米国の薬価を他国と連動させる場合、欧州が革新的新薬へのアクセスで取り残され得る」と警告した。
このように特許満了による売上空白と薬価政策リスクが重なり、今年のグローバル製薬業界はM&Aと技術取引を通じて新薬パイプラインを迅速に確保しようとする動きが一層活発になる見通しだ。