韓国初の次世代キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T・カーティ)治療薬が誕生した。
食品医薬品安全処はCurocellが開発した韓国初のカーティ治療薬「リムカト」(開発名アンバルセル)を29日に承認したと明らかにした。再発性・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者を対象とする。
カーティは患者の免疫細胞を遺伝的に操作し、がん細胞を正確に見つけて攻撃するようにした個別化遺伝子治療薬である。1回投与すると体内で増殖し、継続的にがん細胞だけを狙って攻撃するため「生きた抗がん剤」と呼ばれる。
カーティ治療薬は2017年のスイス・ノバルティスの「キムリア(kymriah)」に続き、2024年の英国オートラス・セラピューティクスの「オキャッジル(aucatzyl)」まで7種類が血液がん治療薬として米食品医薬品局(FDA)の承認を受けた。今回の決定でカーティ治療薬の処方が活発になる見通しだ。
リムカトはCurocellが独自に開発した「オビス(OVIS)」技術を適用した点が特徴である。オビスは、がん細胞が正常細胞に擬装する免疫チェックポイント蛋白質(PD-1)とともに、一部T細胞やナチュラルキラー(NK)細胞にある免疫受容体(TIGIT)を同時に抑制する。それだけ治療効果が大きい。
臨床成績も既存治療薬より優れていることが示された。先にリムカトは第2相試験の最終結果で、FDAが承認した6つの治療薬より有効性が高いと立証された。がんが完全に消失する患者の割合である完全寛解率(CR)は67.1%で、キムリア(40%)、ブレヤンジ(53%)、イエスカータ(54%)に比べ高かった。
副作用も少なかった。細胞治療薬の代表的な副作用であるグレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)の発生率はリムカトで9%水準で、キムリア(17%)より低かった。神経毒性もリムカト(3.8%)がキムリア(11%)より低かった。
治療アクセスも改善する見通しだ。既存のカーティ治療薬は米国工場で製造された後に韓国へ到着し、患者への投与まで約2カ月を要したが、リムカトはテジョンで製造され、約14日で投与が可能である。
価格も下がる可能性がある。現在韓国ではキムリアと米国ギリアド・サイエンシズの「イエスカータ」などが導入されており、このうちキムリアのみ健康保険が適用され、患者負担額は1回投与基準で3億6000万ウォンから598万ウォンに下がった。リムカトはこれと同程度かやや低い水準で保険適用が進む見通しだ。
リムカトは2025年8月に先端バイオ医薬品迅速処理制度の対象に指定され、第2相の結果のみで承認を受けた。Curocellは今後、米食品医薬品局(FDA)の承認にも挑戦する計画である。