2023年6月3日、米国イリノイ州シカゴで開かれた米国臨床腫瘍学会(ASCO)開幕セッションの会場。/ASCO

グローバル大手製薬会社(ビッグファーマ)が「ゲームチェンジャー」として開発を進めてきた抗がん新薬パイプラインが相次いで第3相臨床で座礁し、新薬開発の高い壁が改めて浮き彫りになっている。

先に登場した免疫抗がん剤と分子標的薬が生存指標を大きく改善した状況下で、新たな治療原理(機序)による抗がん新薬開発の難度が高まっているとの分析が出ている。

27日製薬・バイオ業界によると、米国メルク(MSD)は21日(現地時間)、進行性透明細胞型腎細胞がん(ccRCC)患者1138人を対象とした第3相臨床(Litespark-012)の中間解析結果を発表した。

当該試験は、既存の標準療法であるキイトルーダ(成分名ペムブロリズマブ)とレンビマ(成分名レンバチニブ)の併用に、HIF-2α阻害剤「ウェリレク(成分名ベルズチファン)」またはMSDが開発中の抗がん新薬候補物質「クォボンリマブ」を追加する三剤併用療法の効果を評価したものだ。HIF-2αは低酸素状態でがん細胞の成長を助けるタンパク質である。

解析の結果、ウェリレク併用群は対照群に比べ、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)のいずれにおいても統計学的有意性を確保できなかった。クォボンリマブ併用群も同様に有効性の立証に失敗した。

キイトルーダとレンビマはすでに複数のがん種で強力な治療効果を立証し、標準治療として定着した併用療法である。ウェリレクは一部の適応で承認を受けているが、第一選択治療領域への拡大はまだ実現していない段階だ。第一選択治療は、疾患が初めて診断された際に最初に用いる標準治療を意味する。

今回の試験はこれをより前段の治療段階へ拡張する試みとして意義が大きかったが、中核市場である第一選択治療領域で生存上の利益を立証できず、適応拡大戦略にブレーキがかかったとの評価だ。

Alteogenの技術(ALT-B4)を適用した「キイトルーダ(Keytruda)皮下注(SC)製剤」である「キイトルーダ キュレックス(KEYTRUDA QLEX)」。/メルク

米国ビッグファーマのギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)とアーカス・バイオサイエンシズ(Arcus Biosciences)は20日(現地時間)、米国証券取引委員会(SEC)への公示を通じ、免疫抗がん剤候補「ドムバナリマブ(domvanalimab)」の第3相臨床(Star-221)を終了すると明らかにした。

当該研究は、治療経験のない転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、「ドムバナリマブ+ジンベレリマブ+化学療法」併用療法をキイトルーダベースの治療と比較する設計だった。

しかし中間解析の結果、生存指標で優位性を立証できる可能性が低いとの判定が下され、終了となった。安全性の問題はなかったが、効果不足で開発戦略が事実上座礁した格好だ。これに伴いギリアドは初期パイプラインの一部に対する権利を放棄し、アーカスとの協力範囲も縮小した。

英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)も後期臨床で同様の困難に直面した。2025年12月、肺がん患者を対象にした第3相臨床で、免疫抗がん剤「イムフィンジ(Imfinzi)」とATR阻害剤候補セララサーティブ(ceralasertib)の併用療法による治療効果の立証に挑んだが、全生存期間(OS)の改善に失敗した。

ATR阻害剤は、がん細胞のDNA損傷修復(DNA damage response)機能を遮断する原理だ。免疫抗がん剤イムフィンジと併用して抗がん治療効果を高めるのが同社の戦略だったが、第3相臨床でブレーキがかかった。

これらの事例は、次世代抗がん剤開発の後期臨床段階における高い難度を如実に示す。業界関係者は「初期臨床で反応率が高くても、大規模な第3相では患者群の異質性や既存治療の効果により結果が希釈される場合が多い」と説明した。

とりわけ、すでに上市された薬剤を併用する現在の標準治療ががん患者の生存効果を大きく高めた状況で、新たな治療戦略が圧倒的なデータを示すことに難航している実情を示している。

がん細胞(赤)を攻撃するT細胞(青)。/米国スローン・ケタリングがんセンター

がん細胞はT細胞(免疫細胞)が自らを攻撃できないよう「ブレーキ信号」を送るが、その役割を担うのがPD-1経路だ。ブロックバスター免疫抗がん剤のキイトルーダ、オプジーボなどPD-1阻害剤はこのブレーキ信号を遮断し、がん細胞の妨害なくT細胞が再び正常にがんを攻撃できるようにする原理である。

ギリアドとアーカスが開発してきたドムバナリマブは、TIGITという別の免疫抑制受容体を遮断する原理だ。すなわち、PD-1阻害剤の後にも残る追加的な免疫抑制シグナルを解除し、抗がん効果を高めようとするアプローチである。

医薬業界ではTIGIT阻害戦略に期待が集まったが、失敗事例が相次いでいる。先んじてスイスの製薬企業ロシュ(Roche)、英国グラクソ・スミスクライン(GSK)などがTIGIT系抗がん剤の開発に挑んだものの、ロシュは第3相臨床段階で主要指標を達成できず、GSKは第3相に成功したとの評価が出たが、当初の期待に比べ有効性が限定的との判断が出て商業化に到達しなかった。

それでも抗がん剤市場への挑戦は続く見通しだ。医薬品市場調査機関アイキュビア(IQVIA)によると、グローバル抗がん剤市場は2024年約2520億ドル(約373兆ウォン)から2029年約4410億ドル(約653兆ウォン)規模へ拡大する見通しだ。年平均11〜13%水準の二桁成長が続くと分析された。

人口の高齢化でがん患者が増加しているうえ、早期診断技術の進展で治療期間が延長されている趨勢だ。ビッグファーマとバイオ技術企業は新たな原理の抗がん剤、既存治療薬間のシナジーを狙った多様な研究・開発(R&D)への投資を継続的に拡大している。開発に成功すれば波及力が大きいだけに、次世代抗がん剤の開発競争は続くというのが業界関係者の見方だ。

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