金銭を受け取り偽論文を作る「論文工場」が横行している。彼らが販売する第1著者資格の中間価格は約800ドル(ハンファ118万円)で、論文の価値やジャーナルの知名度により5600ドル(827万円)以上で取引されていた。/ChatGPT生成画像

金銭を受け取り偽論文を作成する「論文工場(paper mill)」が世界各地で広範に活動していることが明らかになった。インターネット上では著者資格はもちろん、被引用数まで操作してくれるという広告が氾濫しており、実際に偽論文が主要学術誌に掲載された状況が判明し、科学の信頼性を大きく損なった。

ドイツと米国の共同研究チームは「論文工場7カ所が6年間にインターネットに掲載した広告約1万9000件を調査した結果、偽論文が科学界で広範に流通していると疑われる」と23日(現地時間)、欧州の研究データベースであるゼノド(Zenodo)に発表した。

研究チームは2020年3月から今月初めまでにインターネットに掲出された広告1万8719件を調査した。論文工場が販売する第1著者資格の中央値は約800ドル(約118万円)で、論文の価値やジャーナルの知名度により5600ドル(約827万円)以上で取引されていた。

◇学術不正の誘惑、世界に拡散

今回の調査はベルリン自由大学のアンナ・アバルキナ(Anna Abalkina)博士と米国ノースウェスタン大学のリース・リチャードソン(Reese Richardson)、スペンサー・ホン(Spencer Hong)博士が実施した。アバルキナ博士は偽論文を量産する論文工場を告発し、国際学術誌ネイチャーが「2024年の科学を率いた10人」に選出した。残る2人はルイス・アマラル(Luís Amaral)教授の研究室に所属するポスドク研究員である。

研究チームはインド、イラク、ウズベキスタンにある論文代行業者3社がメッセンジャーアプリのテレグラムに掲載した広告2311件を収集した。さらにロシアとラトビア、カザフスタン、ウクライナで運営されていると推定される業者4社のウェブサイトでも広告1万6399件を確認した。

業者はいずれも論文の著者資格を広告しており、教科書の著者登載や特許、著作権登録、虚偽の受賞実績までサービスしていた。リチャードソン博士は「論文工場という表現だけでは現在起きているすべての状況を反映できないほど多様な事業を展開していた」とし「自分は彼らを『評判操作市場』で活動する企業として見たい」と述べた。

偽論文は世界的な国際学術誌に掲載されている疑いがある。国際学術誌ネイチャーのニュースチームは、論文工場3社の広告に出ていたタイトルと一致する論文が実際に53本出版されていることを確認した。世界最大の工学会である米国電気電子学会(IEEE)が刊行する学術誌に23本が掲載され、ワイリーとシュプリンガー・ネイチャー系列の学術誌にもそれぞれ5本、4本が載った。

しかしこのうち撤回された論文はわずか5本にとどまった。1本は出版予定段階で撤回された。残りは依然として学術データベースに残り、研究者に引用されている状況だ。ネイチャーのニュースチームは、偽論文を掲載した出版社6社にこの事実を伝えたと明らかにした。該当する出版社は通知を受けて調査を開始したとされる。

ベルリン自由大学のアンナ・アバルキナ博士は、論文実績への圧力が論文工場の拡大を招いていると述べた。アバルキナ博士は論文工場の実態を明らかにし、ネイチャーが選ぶ「2024年科学を動かした10人」に選出された。/ネイチャー

◇業績圧力が偽論文に誘導

論文工場が繁盛する背景には、研究業績を論文数と被引用数のみで評価する学界の硬直したインセンティブ構造がある。アバルキナ博士は昨年6月、ネイチャーに「研究者数の増加と多くの国で導入された国際学術誌論文の要件が、論文工場が登場した二つの理由だ」と明らかにした。実際にサウジアラビアのある助教授は1年に20本の論文を発表したにもかかわらず、さらなる業績圧力に耐えられず論文工場に数百ドルを支払い、偽論文に名前を載せたとネイチャーに明らかにした。

こうした現象は特に医療界で深刻だ。カナダのカルガリー大学のタン・ゲンヤン(Gengyan Tang)研究員が中国の研修病院を調査した結果、過重な業務と研究業績要件に苦しむ看護師と若手医師が論文工場の主要顧客であることが判明した。ネイチャー誌が2014年から2024年までの論文撤回事例を調べたところ、撤回率が高い上位10機関のうち7カ所が中国の病院だった。

学界の需要に歩調を合わせ、論文工場は急速に発展している。アバルキナ博士の分析によれば、ロシアに拠点を置くある論文工場は2019年から2021年の間に共著者資格を販売し、約650万ドル(約96億ウォン)の売上を上げた。アバルキナ博士は、論文工場産業の規模は年間数億ドルに達すると推定した。

論文工場の生産量も急増する趨勢である。ノースウェスタン大学のアマラル教授の研究チームが昨年「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表した論文によれば、論文工場で生産されたと疑われる論文数は1.5年ごとに2倍になっている。これは3.3年ごとに2倍で増加する論文撤回件数を大きく上回る速度で、現在の不正検知技術と浄化システムが論文工場の膨張速度に追いついていないことを示す。

◇AIが論文不正のゲームチェンジャーに浮上

人工知能(AI)技術の進展は論文不正を一段と悪化させる見通しだ。昨年4月、英国オックスフォード大学では論文工場を議論する学術イベントが3日間開かれた。専門家は、生成AIは検知が難しい偽データや画像、テキストを瞬時に作り出せるため、論文不正の潮流を変える「ゲームチェンジャー」になると予測した。

科学出版社は偽論文をふるい落とす技術を自社開発し、関連情報を共有して対応している。しかし論文工場から出た論文かどうかを判別するシステムを構築するには費用がかかる。アバルキナ博士は「出版社は論文掲載で財政的利益を得ており、システムを変えたり論文出版のスピードを落としたりすることに関心がない」と指摘した。

科学の価値は真実性にある。評判を金で売買する論文工場の拡散は、最終的に人類が積み上げてきた知の塔を崩しかねないという点で、市場の需要を減らす抜本策が必要だ。ノースウェスタン大学のリチャードソン博士はネイチャー誌に「単に個別論文をふるい落とすことを超えて、なぜ研究者がこのようなサービスを利用するのかという根本原因を解決すべきだ」と述べた。

参考資料

Zenodo(2026)、DOI: https://doi.org/10.5281/zenodo.19684278

Nature(2025)、DOI: https://doi.org/10.1038/d41586-025-01824-3

PNAS(2025)、DOI: https://doi.org/10.1073/pnas.2420092122

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