裁判所がサムスンバイオロジクス労組のストライキを一部認めた。これにより労組は、先に予告した5月1日のストライキを強行する方針だ。会社は判決に不服として、直ちに抗告したと明らかにした。
24日、業界と法曹界によると、インチョン地裁民事合議21部(ユ・アラム部長判事)は、サムスンバイオロジクスがサムスン企業超企業労働組合サムスンバイオロジクス相生支部を相手取って申し立てた争議行為禁止の仮処分申請を一部認容した。
医薬品製品の変質懸念が大きい最終工程のみストライキを制限するという判断である。培養など初期生産工程でのストライキは事実上認められ、労組はストの動力を維持することになった。
今回の労使対立は2025年11月、役職員の個人情報が内部網に露出する事故が発生し、表面化した。労組は補償と後続対策を要求し、会社は協議を続けたが、双方の見解の相違で対立を収束できず、賃金・成果給の対立へと広がった。
◇ 裁判所、3つの工程のみストにブレーキ…「培養など初期工程は生産活動」
法的判断を盛り込んだ決定文によると、裁判所は会社が争議(スト)禁止を求めた9つの作業のうち、▲濃縮およびバッファー交換(UFDF)▲原薬充填(DS Filling)▲これに関連するバッファー製造・供給の3項目に対してのみストライキを阻止した。
裁判部は「(この作業は)医薬品物質の生成が完了した状態で、維持・保管に適した形に調整する仕上げ作業だ」とし、適時に実行されない場合、製品が変質して廃棄される危険が大きい点を認めた。
一方、会社が核心的に防御しようとした▲フラスコおよびバイオリアクター培養▲精製およびウイルスろ過など初期の6つの工程に対しては、仮処分申請が棄却された。すなわち、ストライキが可能だと判断したものだ。
裁判部は「連続工程の特性上、作業中断時に相当な損害が発生し得るという事情だけで、すべての生産工程を『変質防止作業』とみなすことはできない」と判示した。培養工程などは価値を創出する「積極的生産活動」であり、これを禁止することは憲法が保障する争議権の本質的侵害だという趣旨だ。
特に会社側が強調していた「解凍された細胞株の管理」作業も、裁判所は争議制限の対象として認めなかった。「すでに作られた製品は変質・腐敗してはならないが、工場を止めるストは正当だ」という論理と解される。
裁判部は当該過程について「積極的に付加価値を創出する生産活動に当たる」としつつも、「単に中断時の経済的損失が大きいという理由だけで争議行為自体を制限することはできない」と明らかにした。
◇労組「5月スト」vs 会社「不服」緊張高まる
今回の判決で労使双方の明暗が分かれた。
サムスンバイオロジクス労組は今回の判断を踏まえ、5月1日に予告したストライキを強行する方針だ。パク・ジェソン・サムスンバイオロジクス相生労組委員長は「製品化する一部工程に限って作業をしなければならないという判決であるため、ストには大きな支障はないと予想される」と述べた。
会社側は全工程の運転維持を求めたが、仕上げ工程のみ保護を受ける格好となり、スト時に発生する生産支障への対応策の整備が急務となった。
これを受け会社側は直ちに不服手続きに入った。サムスンバイオロジクスは「決定文を受領し、一部認容された事実を確認した。認容されなかった部分については直ちに抗告を提起した」と明らかにした。
今回の判断は、バイオ産業において労働組合法第38条2項が規定した『原料・製品の変質および腐敗を防止するための作業』の範囲を裁判所が初めて認めた事例である。
会社側は「争議権が無制限に保障されるのではなく、産業の特性と工程のリスクに応じて制限され得ることを確認した点で意義がある」とし、「生産支障を甘受してまで進められ得たストライキに一定のブレーキがかかった決定だ」と説明した。
今回の労使対立の波及が大きくなり得るとの懸念も出ている。あるバイオ業界関係者は「バイオ医薬品は工程の特性上、連続性が核心だ」とし、「納期遅延や生産不安の履歴が生じれば新規の受託生産(CMO)・受託開発(CDO)の受注で不利になり、状況が長期化する場合、既存数量の離脱可能性もある」と語った。
今回の判決は、今後のバイオ業界の労使紛争で争議制限の範囲を分ける基準となる可能性が高い。裁判部は「工程中断により損害が発生し得るという事情だけで、憲法上保障された争議権を本質的に侵害することはできない」という原則を示した。法曹界関係者は「バイオ医薬品の受託開発生産(CDMO)事業で、どこまでを必須維持業務とみなすかについて具体的ガイドラインが示された」とし、「類似業種の紛争でも重要な先例となる」と評価した。