スキンブースター市場に参入する韓国の製薬・バイオ企業が増え、競争が一段と激しくなっている。
アンチエイジング(抗老化)、ウェルエイジングの流れと技術高度化が重なり、企業の新たな収益源としてスキンブースターが浮上しているとの分析だ。スキンブースターは有効成分を皮膚に直接注入して再生を促す施術で、企業が開発・発売する製品の大半は医療機器に該当する。
14日医薬業界によると、春の学会シーズンを迎え、形成外科・皮膚科の主要学術イベントでスキンブースターが主要テーマとして浮上した。
過去にボツリヌス毒素とフィラー中心で施術トレンド、製品競争力、安全性を扱っていた学術行事で、スキンブースターが主要議題として浮上したというわけだ。これに主要企業もマーケティングに力を入れている。
人体組織ベースのスキンブースター「リツオ(Elravie Re2O)」を開発したL&C BIOは11〜12日に開催されたアジア・太平洋形成外科学術イベント「APS KOREA 2026」にダイヤモンドスポンサーとして参加した。会場では製品施術戦略、今後の拡張性を扱うシンポジウムとセッションが行われた。
CHA Biotechの系列会社チャメディテクは大韓美容成形レーザー医学会(ASLS)春季学術大会に参加し、最近発売した「ハイローラ(HYRAURA)スキンブースター」を周知するブースを運営し、医療従事者向け講演を通じて施術技法と製品特性を紹介した。
◇ 企業の差別化競争…「韓国が流行を先導」
グローバル市場調査企業グランドビューリサーチ(Grand View Research)は、外科的手術を除いたグローバル顔面美容(Facial Aesthetics)全体の市場規模が2024年時点で約125億ドル(約18兆ウォン)から年平均約11%成長し、2030年に約350億ドル(約51兆ウォン)に達すると展望した。
特にスキンブースター市場はより急峻な成長を示すと予想した。同社は、韓国が2030年まで年平均16%以上の成長率を記録し、グローバルトレンドを牽引する中核市場として台頭すると見立てた。
スキンブースター市場が単なる水分補給を超えて、エクソソーム(Exosome)、PDRN、PLLAなど次世代再生成分を軸とする「技術集約型産業」へ進化しているうえ、女性中心だった市場に男性消費層が急速に流入しているとの分析が背景にある。
実際、企業はヒアルロン酸(HA)中心からPN(ポリヌクレオチド)、ECM(細胞外基質)ベース製品へと拡大し、成分の差別化競争を繰り広げている。
チャメディテクは皮膚構造を支持するdWAT(Dermal White Adipose Tissue)層を標的にしたスキンブースターを打ち出し、差別化を図った。この製品は注入時には滑らかで施術後には剤形の保持力を高めた「二重物性設計」を適用した点が特徴だ。
Hans Biomedは昨年9月、ECMベースのスキンブースター「セルルディエム」を発売し、市場拡大に乗り出した。人体組織由来の無細胞同種真皮(hADM)を活用して細胞外基質を補い皮膚構造の回復を助ける製品で、従来のPNベース製品に比べ回復期間が短く施術間隔が長い点を強みとして掲げた。
最近ヒューゼルはHans Biomedと国内流通契約を締結し、販売権を確保した。従来のボツリヌス毒素とフィラー中心の事業にECMスキンブースターを加え、施術領域を広げる戦略だ。
CG MedTechはECMベースのスキンブースター「シジリアロ インジェクト ファイン」を開発中で、発売後はDaewoongグループ関係会社のDNカンパニーを通じて流通する予定だ。このほかヒューオンスグループの系列会社Humedix、CLASSYS、WONTECH、Asterasysなどが次世代成分と新しい剤形の開発に乗り出した。
◇ 「絶対的強者のいない市場」…K-ビューティーの海外攻略
国内企業は内需だけでなく海外市場進出にも速度を上げている。
Pharma Researchは今年、サウジアラビア食品医薬庁(SFDA)でスキンブースター「リジュラン」の品目許可を獲得した。この製品はサケ由来のDNA成分を活用した皮膚再生注射で、アラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルでも許可を受けた。
ボツリヌス毒素事業を主力に展開してきたJETEMAはHanmi Pharmaceuticalと協力し、ヒアルロン酸成分のスキンブースター製品「リバイン(Re Vine)」の米国市場進出を推進中だ。リバインは米食品医薬品局(FDA)の許可を受けたHanmi Pharmaceuticalのヒアルロン酸(HA)注射関節炎治療剤ヒアルルマと同一成分の製品で、これを美容医療用途に開発したものだ。
スキンブースター市場は急速に成長しているが、まだ特定企業が掌握した構図ではない。現在のグローバル美容医療市場はガルデルマとアッヴィ(アラガン)が流通網とブランド競争力を武器に主導しているが、製品ごとに成分と特性が異なり、順位付けが難しい側面もあるという説明だ。