Celltrionは抗体-薬物複合体(ADC)ベースの抗がん新薬候補物質「CT-P71」が、局所進行性または転移性尿路上皮がん患者の治療を対象に米食品医薬品局(FDA)のファストトラック(Fast Track Designation)指定を受けたと9日明らかにした。
FDAのファストトラックは既存治療のみでは効果が十分でない重篤な疾患を対象に、開発の全過程で治療薬の開発企業とFDAが協議を迅速に進めることを認める制度である。
指定されると企業は、▲FDAとの常時的なコミュニケーションチャネルの確保 ▲治験デザイン・開発戦略に関する早期協議 ▲優先審査(Priority Review)・迅速承認(Accelerated Approval)の可能性拡大といった恩恵を受けられる。特に、資料が整い次第、随時提出して審査を受ける「ローリングレビュー(Rolling Review)」の資格が付与され、全体の開発効率を高めることができる。
CT-P71は腫瘍細胞で観察されるネクチン4(Nectin-4)を標的とするADC候補物質である。ADCは抗体に薬剤を結合させ、正確にがん細胞にのみ送達する治療技術である。がん細胞を探す抗体と、がん細胞を殺傷する薬剤であるペイロード、これをつなぐリンカーで構成される。
同社によると、先に実施した非臨床試験で既存治療薬「パドセブ(Padcev、成分名エンフォツマブベドチン)」と比べ優れた抗腫瘍効果を示した。がん細胞のDNA複製過程で損傷を誘発する攻撃原理が差別化点である。既存治療薬に対する耐性モデルでも強力な有効性を発揮し、霊長類の非臨床評価を通じて既存治療薬と比べ著しく優れた安全性結果も確認したと同社は説明した。
Celltrionは昨年9月、尿路上皮がんを含め治療選択肢が限定的な固形がん患者を対象にCT-P71の第1相臨床で最初の患者への投与を開始した。会社側は「現在、順調に臨床を進行中だ」と述べた。
同社が開発中の別のADC新薬候補「CT-P70」も昨年12月にFDAのファストトラック指定を受けた。対象適応は転移性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)である。
会社関係者は「CT-P70に続きCT-P71まで短期間に相次いでファストトラックに指定されたのは、Celltrionの新薬候補物質がグローバルな医療現場の未充足ニーズを解決する中核治療薬として価値を認められたということだ」と語った。
同社は今後の新薬開発過程でもファストトラック指定を基本戦略とし、迅速承認、優先審査制度も積極活用して世界市場での上市時期を前倒しする方針だと明らかにした。後続の新薬候補物質であるCT-P72とCT-P73も年内にファストトラック申請を完了する計画である。
Celltrion関係者は「新薬開発企業へのクオンタムジャンプを早め、世界中の患者に革新的な治療オプションを迅速に提供できるよう最善を尽くす」と述べた。