ミミズ堆肥25%と共生菌を処理した月面土壌模擬物で育ったヒヨコマメの莢/ジェシカ・アトキン

映画「オデッセイ」には、火星に取り残された宇宙飛行士マーク・ワトニーが生き延びるため自らジャガイモを栽培する場面が登場する。映画的な想像のように見えたこの場面は、人類が再び月を目指す時代を前に現実になりつつある。

米国テキサス大学オースティン校の研究チームは、月の土壌を模した「模擬月面土壌」でヒヨコマメを栽培し収穫することに成功した。研究結果は国際学術誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に6日掲載された。

月の土である月面土(レゴリス)は地球の土とまったく異なる。月面土は土というより細かく砕けた岩石の粉に近く、地球の土壌のように植物を助ける有機物や微生物生態系がほとんどない。さらにアルミニウムや亜鉛といった金属成分が多く植物にストレスを与えやすく、水も浸透しにくい。これまでも月面土を肥沃にする試みはあったが、植物はうまく育たなかったり葉が黄化したりした。

研究チームはこの限界を乗り越えるため二つの戦略を同時に適用した。一つは模擬月面土にミミズ堆肥(糞土)を混ぜること、もう一つは菌根菌の一種であるアルブスキュラー菌根を活用することだ。

ミミズ堆肥はアカミミズが生ごみや繊維性廃棄物などの有機物を食べて作る排泄物で、植物の生育に必要な栄養分と微生物が豊富だ。アルブスキュラー菌根は植物の根と共生し、根が吸収しにくい栄養分をもたらし、植物が重金属を吸収しにくくすることもできる。また土壌粒子同士を付着させるタンパク質を生成し、土が崩れて舞い上がる現象を抑える役割も担う。

月面土壌模擬物で順調に生育したヒヨコマメの根/ジェシカ・アトキン

実験の結果、ヒヨコマメは模擬月面土の比率が75%まで上がっても収穫可能なほどに生育した。特にミミズ堆肥とアルブスキュラー菌根を併用した条件でのみ開花と結実が確認された。アルブスキュラー菌根が模擬月面土でも根に定着して生き残る様子も観察され、接種した植物は未接種の植物より茎と根の乾燥重量が大きく、生育改善効果が確認された。

ただし月面土で育った植物は、一般の土で育った対照群より種子数が有意に少なかった。それでもミミズ堆肥の比率が25%と50%のときは種子の重量が対照群と同程度だった。収量は減っても、実が十分に熟す可能性が示されたということだ。逆に模擬月面土の比率が100%に近づくと植物が強いストレスを受け、うまく生育しないか早期に枯死する問題が生じた。

研究チームは「地球で用いる土壌再生戦略が月でも通用する可能性がある」としつつも、「ヒヨコマメが実際に宇宙飛行士の食糧となるには、栄養成分が十分か、栽培過程で有毒金属が豆に蓄積されなかったか、長期的にも安全かなどを確認する必要がある」と説明した。

一方、同じ学術誌には、火星土壌を模した環境で一部の微生物が火星レベルの低い湿度でも一定期間は増殖できるという結果も掲載された。英国ノーサンブリア大学の研究チームは、火星土壌モサ体を滅菌環境に置き、火星と同程度の大気湿度34%の条件で60日間観察した。

時間の経過に伴い土中のデオキシリボ核酸(DNA)量を測定したところ、30日まではDNA量が増加した。微生物が劣悪な条件でも一定期間は成長したことを意味する。しかし60日にはDNA量が再び0に減少した。研究チームは「火星は生命がまったく生存できない場所とは限らないが、どのような条件で生命が維持されるのかをより精緻に検証する必要がある」と明らかにした。

参考資料

Scientific Reports(2026), DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-026-35759-0

Scientific Reports(2026), DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-026-35595-2

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