OliX Pharmaceuticalsは11日、スウェーデンのバイオ企業「キー・トゥ・ブレイン(Key2Brain AB)」と中枢神経系(CNS)疾患治療薬の開発に向けた薬物送達技術の評価および技術導入オプション契約を締結したと明らかにした。
今回の契約の核心は、キー・トゥ・ブレインが保有する「血液脳関門(BBB)シャトル」技術とOliX PharmaceuticalsのCNS疾患用siRNA(遺伝子発現を調節する治療物質)候補を組み合わせ、薬剤を脳組織へどの程度効率的に送達できるかを共同で検証することにある。
血液脳関門は血管内の物質が脳へ入ることを厳格に遮断する保護膜として機能しており、このため脳疾患治療薬の開発では、この関門を通過させる送達技術が重要課題とされる。
両社は共同研究を通じて、この接合体が実際に脳組織に十分到達するか、技術的に適合するかなどを評価する計画だ。
契約には、研究期間中の特定CNS疾患ターゲットについて、OliX Pharmaceuticalsが全世界の独占的な開発・商業化権を優先的に確保できるオプションも含まれた。研究結果で技術適合性と有効性が確認される場合、OliX Pharmaceuticalsはキー・トゥ・ブレインのBBBシャトルプラットフォームを活用した治療薬について、グローバル独占ライセンスを取得するかどうかを決定する。
キー・トゥ・ブレインは「トランスフェリン受容体(TfR)」を標的とするBBBシャトル技術を保有している。TfRは脳毛細血管内皮細胞に多く存在するタンパク質で、これを利用すれば薬剤を脳内へ運搬できるため、CNS治療薬開発で代表的な送達経路として活用される。
同社のBBBシャトルは「VHH」という小型抗体断片に基づくキャリアで、酵素や抗体、ペプチド、遺伝子治療物質など多様な治療成分を脳へ送る目的で適用されている。前臨床研究では脳送達効率と標的結合能が確認され、現在は自社研究およびグローバル協業プロジェクトに活用されている。一部のプログラムには、薬剤が体内で長く維持されるよう半減期延長技術も組み合わされている。
今回の契約は、OliX Pharmaceuticalsが中長期戦略「OliX 2.0ロードマップ」でCNS分野を中核の成長軸に据えて推進したものだ。会社はBBBシャトル技術を先行確保してsiRNAベースの脳疾患送達プラットフォームを構築し、複数の送達技術を同時に確保する「マルチBBBシャトル」戦略で競争力を高める方針である。
イ・ドンギOliX Pharmaceuticals代表は「脳疾患治療薬の送達技術は長期の検証が必要であるだけに、臨床適用の可能性が高いBBBシャトルを早期に確保することが重要だ」と述べ、「キー・トゥ・ブレインとの協力を通じて、siRNAベースのCNS送達戦略を段階的に高度化していく」と語った。